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私が占い師になった理由。  作者: 月灯
第二章 王宮編Ⅰ
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11話 地下迷宮と過去の残響

人気のない庭園に逃げ込んだアリアは、息を潜めて物陰に隠れた。しかし、すぐに衛兵たちの足音が近づいてきた。


「あそこだ!逃がすな!」


衛兵たちは、アリアを追い詰めるように、庭園を包囲していく。アリアは、短剣を構え、覚悟を決めた。


(ここまでか…)


その時、衛兵たちの背後から、低い声が聞こえた。


「そこまでだ。」


声の主は、ルシウスだった。彼の隣には、ユリウスも立っていた。


「ルシウス様、ユリウス様…!」


衛兵たちは、驚いた様子で二人に敬礼した。


「彼女は、私が連れて行く。下がっていい。」


ルシウスは、冷たい声で衛兵たちに命じた。衛兵たちは、戸惑いながらも、命令に従って退散していった。


アリアは、ルシウスとユリウスの姿を交互に見ながら、警戒心を露わにした。


「なぜ、私を助けたのですか?」


アリアが尋ねると、ルシウスは柔和な笑みを浮かべた。


「アリア様には、まだ王宮でしていただきたいことがあるので。」


「それは…?」


「夜会でお話しした通りです。今後は、このような無茶は控えていただきたい。」


ルシウスは、そう言い残し、ユリウスと共に去っていった。


アリアは、二人の姿が見えなくなるまで、その場に立ち尽くしていた。


(彼らは、一体何を考えているのだろうか…?)


ルシウスとユリウスの行動は、アリアにとって謎に包まれていた。衛兵たちを制止し、アリアを解放したことは、一見すると親切な行為のように思える。しかし、彼らがアリアを監視していることは明らかであり、その真意は測りかねた。


アリアは、自室に戻り、王宮の地下で見たものを整理した。


(古代の怨念…過去の記憶…そして、ルシウスとユリウス…)


全てが複雑に絡み合い、アリアを混乱させていた。しかし、彼女は諦めなかった。真実を解き明かすために、彼女は自身の過去と向き合い、王宮の秘密を暴くことを決意した。


アリアは、エリオットから受け取った地図を再度広げ、地下で見た光景を思い浮かべた。


(あの水晶…あれが、古代の怨念の力を封印しているのだろうか…?)


水晶に触れた時、アリアは過去の記憶の断片を見た。

それは、アリア自身の過去なのか、それとも…?アリアは、過去の記憶を辿りながら、古代の怨念について調べ始めた。

古文書や魔法書を読み解き、古代魔法に関する知識を深めていく。


(古代魔法…それは、使い方によっては、世界を滅ぼすほどの力を持つ…)


資料を読み進めるうちに、アリアは古代魔法の恐ろしさを改めて認識した。そして、同時に、なぜ王宮がこの力を隠蔽しているのか、その理由も理解できた。


(王宮は、古代魔法の力を独占し、利用しようとしているのかもしれない。)


アリアは、そう確信した。

そして、自身の過去が、その古代魔法と深く関わっていることも。

アリアは、王宮での情報収集を続けるため、エレノアやルシアンとの関係を深めようとした。

しかし、王宮では、アリアの行動を警戒する動きが活発化し、彼女を監視する目が厳しくなっていた。


アリアは、王宮内で起こる不可解な出来事や、人々の異変に気づき、古代の怨念の影響を疑った。

夜になると、王宮の廊下で奇妙な足音が聞こえたり、人々の間で奇妙な噂が広まったりした。


(これは、古代の怨念の力が、現実世界に影響を与え始めている証拠なのか…?)


アリアは、王宮の日常に潜む影を感じ、自身の過去と向き合いながら、真実を追求する決意を新たにした。


(私は、必ず真実を突き止める。そして、私の家族の無念を晴らす。)


アリアは、そう心に誓い、夜空を見上げた。

星々が、アリアの決意を祝福するように、優しく輝いていた。



11話:終わり



〈登場人物〉

* アリア: 主人公。王宮の地下に潜入し、過去の記憶に触れる。

* ルシウス: アルベール家の長男。アリアを監視し、時には助ける謎多き人物。

* ユリウス: アルベール家の次男。ルシウスと共にアリアを監視する。

* 衛兵たち: 王宮の警備兵。アリアを捕えようとする。

* エレノア: 王宮の女官。アリアと親しい。

* ルシアン: 王宮の書記官。アリアに情報を提供する。


〈読者の皆様へ〉

11話では、アリアがついに王宮の地下へと足を踏み入れ、古代の怨念の封印に迫ります。そこで彼女が見たものは、自身の過去と深く関わる記憶の断片でした。衛兵に追われ、絶体絶命のピンチに陥ったアリアを救ったのは、またしてもルシウスとユリウス。彼らの真意とは一体何なのでしょうか?

王宮に渦巻く陰謀と、アリア自身の過去。物語はますます核心へと近づいていきます。次回の更新もお楽しみに!


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※このお話の舞台はヨーロッパ風異世界であり、現実世界の歴史とは一切関わりありません。

作中に出てくる 国・文化・習慣・宗教・風俗・医療・政治等は全てフィクションであり、架空のものです。

あくまで創作上の設定としてお楽しみいただけますと幸いです。

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