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神剣は気ままに暮らしたい(仮称)  作者: 一二三 四五六
間の話・高級奴隷のクレイ編
29/72

クレイと御主人様

今更ですが、卑わいな表現があります。

「イラーラが落札されました!おめでとうございます!」


つい先日まで9等級だったクレイにとっては目眩(めまい)のする金額による落札。

観客から拍手が起こり、拍手の中心で小太りした仮面の男が小さく手を振り周囲に応えていた。

事前に伝えられていた通りの体格、他に似た体格の男性は居ない。


(あれがゴイスか……)


その後も競りは順調に進み、クレイはゴイスへと引き渡された。

枷も服もそのままだ。


「おお……おお!おお!!おお!!素晴らしい!近くで見ると尚素晴らしい!良いぞ!良いぞ!デュフフ……!」


ゴイスが手をワキワキさせながらクレイの周囲をグルグルと眺めている。

正直に言って非常に不快なのだが、まだ証拠を手に入れていない。

我慢だ、我慢。


ひとしきり眺め終わると鎖で繋がれた首輪をはめられた。

これはただの首輪だ。

鎖に引かれながら外へと連れて行かれ、豪華な馬車が待っていた。

ゴイスが乗り、隣へ座るよう促される。

……この馬車、対面式なのに。

仕方無くゴイスの右側に座る。

我慢だ。


座席へ座るなりゴイスがクレイに目隠しを巻いた。

恐らく現在他を不明確にし、万が一逃げた時に帰り道を分かりづらくする為だろう。


動き出した馬車の中でゴイスの右手がクレイの腰に回った。

指の一本一本で感触を確かめるような、不快な手付きだ。


「うッ……」


突然首輪の鎖を引っ張り、腰に回した右手で引き寄せられゴイスに寄り添う姿勢にさせられた。


「君の名前を……」


そう言いながらゴイスはクレイの太ももの内側に右手を添える。


「ひッ……」

「教えて貰おうかな」


右手は徐々に太ももの付け根へ向けて滑り、スカートの中へ潜り込んでいく。


「い、イラーラ……です……」


右手の動きは止まらず、太ももと下腹部の境目をなぞり、腰を這い、尻を撫で始めた。

き、キモい……!

我慢だ、我慢だ!


「ふむ……?下着は着けていないのかね?」

「……はい」

「デュフッ……奴隷商も気が利くな!どれ、こっちはどうかな……?」

「んッ……」


ゴイスの左手が胸元へと滑り込む。


「デュフフフ!良い手触りだ」


膨らみを確かめるように這わせた後、頂点の突起を指先で()ねる。

我慢だ我慢だ我慢だ我慢だ我慢だ!


そんな不快な時間を程過ごしている内に馬車が止まった。


「着いたか、あっという間だったな」


永遠かと思いました。


カチャリと音を立て、首輪が外される。


「ここがお前の新しい家となる……が、その前にワタシから最初の贈り物だ」

「え?」


耳元でカチリと音が鳴る。

次の瞬間、全身に何かの魔力が駆け巡った。

経験値(ちから)を得た身体はこの魔力を詳細に読み取る事ができる。


これはーー非正規の隷属の首輪だ。

しかもただの非正規の隷属の首輪ではない。

命令を強制するどころか"相手の意思を奪う"ものだ。


これは……マズい……ッ!


首輪から流れる魔力が徐々に頭へと集中していく。


「さて、そろそろかな」


ゴイスがクレイの目隠しを取る。


「君の支配者は誰だ?」

「ゴイス=エライ様です」

「そうだ、君の支配者はワタシだ。どんな命令にも従う。そうだな?」

「はい、どの様な御命令にも従います」


光の無い瞳でクレイはそう答えた。

この話の流れはある程度考えている"つもり"なので、なるべく早く投稿できるよう心掛けます。

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