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無実の罪で処刑されかけた元公爵令嬢は、絶体絶命の国王を守る為戦う事を決めました~私の魔力で命の恩人を絶対守ってみせます~  作者: Karamimi
本編

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私15歳ですが

本日二度目の投稿です。

何か温かなものに包まれている、この温もりは一体何だろう…


「う~ん…」


「シャーロット!シャーロット!しっかりするんだ!」

この声は、アイラン様?


ゆっくりと重い瞼をあげる。

そこには目を真っ赤にしたアイラン様、その後ろにはアルテミル様の姿も…

ここは?


「良かった!本当に良かった!」

アイラン様に抱きしめられる。周りを見渡すと、沢山のファミニア王国の兵士たちも周りを囲んでいた。


「シャーロット様が目覚めたぞ!」

「シャーロット様!良かった!」


周りの兵士たちも抱き合って喜んでいる。そうか、私、戦争終結を見届けたところで、意識を飛ばしてしまったんだわ。ということは、ここはまだ戦場なのね。


「アイラン様、ご心配をおかけして申し訳ございません。もう大丈夫です」

アイラン様の腕から抜け出ようとするが、ギューッと抱きしめられ抜け出すことが出来ない。


「あの、アイラン様?」


「シャーロット、君のおかげで今回の戦争に勝つことが出来た。でもそのせいで、君は魔力をたくさん使ってしまった。このまま俺が本陣まで運ぼう」


そう言うと、アイラン様は私を抱きかかえた。


「アルテミル、ファビオ、悪いが後を頼む!」


「おい、自分だけずるいぞ。俺だって早くオルビアに会いたいのに!」

文句を言うアルテミル様をファビオ様がなだめている。


「あの、アイラン様。私は大丈夫です。どうかこの場に残っていただいた方がよろしいかと」


「気にしなくてもいい。さあ、行こう」

にっこり微笑んだアイラン様。やっぱり、カッコいいわ!


「あ、シャーロットとお兄様が戻ってきたわ!」

本陣に着くと、オルビア様とフェアラ様、他のご令嬢たちもこちらに走ってやって来た。


「お帰りなさい!そして、勝利おめでとう!さっき兵士から話は聞いたわ!シャーロット、本当にあなたは凄いわ!あの聖女を倒した上、敵国の国王を倒す手助けまでしたんですってね!我が国が勝てたのは、あなたのおかげよ!本当にありがとう!」


オルビア様は深々と頭を下げた。それにつられ、他の令嬢たちも頭を下げる。


「お止めください!私はやるべきことをやったまでです。それに、敵国の国王を討ち取ったのはアイラン様ですわ」


「何を言っているんだシャーロット。そもそも君が居なければ、昨日の時点で我が軍は全滅していた。本当に、君のおかげで勝てたんだ!」

アイラン様まで…


「そうよ、シャーロット。そうだわ、あなた疲れているでしょう?すぐに寝床を準備するわ。今日はここにもう1泊する予定だから、ゆっくり休んで」


そう言うと、オルビア様はすぐに寝床に案内してくれ、アイラン様がそこに私を降ろしてくれた。


「ありがとうございます。アイラン様、オルビア様」

少し疲れたし、ゆっくり寝かせてもらおう。それにしても、なぜかずっとアイラン様が手を握っているのだが…


「ちょっと、お兄様!いつまでシャーロットの寝床に居るつもりなの?お兄様がずっと見つめていたら、シャーロットは休めないでしょう!」


さすがオルビア様、私の気持ちを察してくれた様で、ぐいぐいアイラン様を外へと押し出そうとしている。


「シャーロットと俺は結婚の約束をしているんだ!だから俺はここに居る権利がある!離せオルビア!」


「何言っているのよ!あなたは国王でしょ!早く戦場に戻って後処理をしてきなさいよ!ほら、早く!!」


押し問答の末、オルビア様がアイラン様を追い出すと言う形で、この戦いは幕を下ろした。


「全く、シャーロットの事になると本当に聞き分けが無いんだから!ごめんね、シャーロット、私が外で見張っているから、ゆっくり休んで!」


「ありがとうございます。オルビア様」

これでゆっくり休めるわ。さすがに疲れた。とにかく寝よう!



♢♢♢♢


「う~ん」

なんだか外が騒がしいわ。私は外の騒ぎ声で目を覚ました。どうやら結構長い時間眠っていたようで、外はもう薄暗い。


それにしても、何かあったのかしら。テントの外を覗くと


「シャーロット」

嬉しそうに駆け寄ってくるアイラン様。そのまま抱きしめられた。


「ほら、お兄様がギャーギャー騒ぐから、シャーロットが起きちゃったでしょう」

呆れるオルビア様。


「シャーロット、お腹が空いているでしょう?今日はちょっとした祝勝会をやっているんだけれど、シャーロットも来るでしょ?」

祝勝会か!体も元気になったし、せっかくだから私も参加したいな。


「おい、オルビア、シャーロットは疲れているんだ!あんな男ばっかりのむさくるしいところに、シャーロットを連れて行けない」


「それはお兄様がただ他の男たちのところに、シャーロットを連れて行きたくないだけでしょう!もう、いい加減にして!さ、シャーロット、行きましょう」


アイラン様から私を奪い取ると、オルビア様が祝勝会の会場に連れて行ってくれた。


「おい、オルビア!勝手なことをするな!」

後ろでアイラン様が叫んでいるけれど、放っておいていいのかしら?

それにしても、この兄妹、どうやら妹の方が強いようだ。


私が会場に着くと、既に皆盛り上がっていた。お酒も振舞われているようだ。


「あ、シャーロット様だ!」

「シャーロット様~」

「よ、フェミニア王国の聖女!」


なぜかめちゃくちゃ歓迎されている様で、一気に兵士や令嬢たちに囲まれた。でも、これだけは言わせてほしいわ。私は聖女じゃない!


「おい、気安くシャーロットに触れるな。減るだろう!」

私に近づこうとする兵士を片っ端から追い払うアイラン様。アイラン様って、こんな人だったかしら?


「まあまあ、男の嫉妬は見苦しいぞ、アイラン」

そう言って笑っているのは、アルテミル様だ。その隣にはファビオ様もいる。2人とも楽しそうにお酒を飲んでいる。


「さあ、シャーロットも食べて。ほら、お酒も!」

沢山の料理とお酒を勧められるが…

そう言えば私の国では18歳にならないとお酒が飲めなかったわ。この国はどうなのかしら?


「あの、オルビア様。この国ではお酒に関する年齢制限はございますか?」


「ええ、一応あるわよ。でも16歳以上なら飲めるから大丈夫よ」

16歳からか。ゾマー帝国よりかは緩いようね。でも…


「あの、オルビア様、私まだ15歳ですので、お酒は飲めませんわ」



「え~~~~!!!シャーロットってまだ15歳だったの!!!!」

そんなに驚かなくても、私、そんなに老けて見えるのかしら。それに、オルビア様。そんなに大きな声で驚くから、皆がこっちを注目しているわ。


「なんだって、15歳だと!」

「俺たちは15歳の少女に助けられたのか!」

アイラン様やアルテミル様達もかなり驚いている。一体私、いくつに見られていたのだろう…


「俺は15歳の少女を愛してしまったのか…」

なぜかショックを受けているアイラン様。肩を叩いて慰めているのは、アルテミル様とファビオ様だ。


「あの、確かに私は15歳です。でも、アイラン様だってまだ21歳ですよね。6歳しか違いませんわ」

そんなにショックを受ける事かしら?


「確かにそうだ。俺たちは6歳しか違わない!それに、シャーロットがいくつでも、俺の愛が変わることはないんだ!」


アイラン様に強く手を握られた。


「でも、アイラン。シャーロットちゃんが15歳ってことは、お前の計画は実行できなさそうだな」

アルテミル様は笑いながらアイラン様の肩を叩いている。計画って何なのかしら?


「ちょっと、アルテミル、お兄様の計画って何よ?」


「おい、アルテミル!」

アイラン様が制止しようとするが、構わず話し出すアルテミル様。


「アイランの奴、もし今回の戦争で勝ったら、すぐにシャーロットちゃんと結婚するつもりだったみたいだぞ。どうやらウエディングドレスまで準備してあるようだ!」


何それ!そもそも結婚の申し込みを受けたのは戦争が始まる前日よ!それなのに、もうウエディングドレスの準備をしているなんて!展開が早過ぎやしませんか?


「おい、止めろ」

真っ赤になってアルテミル様の口を押えるアイラン様。


「まあ、お兄様ったら!ごめんなさい、シャーロット」

なぜか私に謝るオルビア様。


「私の方こそ、年齢をきちんと伝えておらず、申し訳ございません!でも、後8ヶ月と少しで16歳になりますので…」


「だってよ、8ヶ月程度の辛抱だ!アイラン」


「うるさい、アルテミルは黙っていろ!」

再びアルテミル様の口を押えるアイラン様。


まさかアイラン様がそんなに早く私と結婚しようと考えて下さっていたなんて。嬉しい反面、申し訳なくも感じるわ。


私の年齢騒動の後は、皆と楽しく食事をし今回の勝利を祝った。もちろん、私にはジュースが振る舞われた。


「シャーロット、ちょっといいかな?」

アイラン様に呼び出され、人けの少ない場所へと向かう。


「シャーロット、アルテミルが色々とすまなかったな。でも、俺は今すぐにでもシャーロットと結婚したいと考えている。君さえよければ、シャーロットの16歳の誕生日の日に、結婚式を挙げないかい?」


「私の誕生日にですか?」

物凄く急ね。それに、私の誕生日はお母様の命日でもあり、私が自ら命を絶とうとした日でもある。


でも…


「アイラン様、とても嬉しいです。お誕生日が結婚式だなんて、きっと亡くなった母も喜びますわ」


王妃様が言っていた。私の母は、私の事を生まれる前から大切に思ってくれていたと。きっと、お母様も天国で喜んでくれるはず。なんだか、そんな気がした。


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