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第96話
今日もとある喫茶店の日常が過ぎていく。
消防士を長年務めている男性客が来店していた。
「ここだけの話、部下が不祥事を起こしましてね。被災地支援物資の横流しで……」
「それは火事場泥棒もいいところですね」
「なんでもギャンブルにハマって借金に追われていたようで」
「まさに火の車だったわけですか」
「あと、女性関係のほうにも使い込んでいたようで」
「火遊びまでしていたと?」
「ええ、ほんと。後始末がしんどかったです」
「火消し役も大変でしたね」
「まぁ、火事場のくそヂカラでどうにか乗り切りましたよ」
そのとき、消防士の胸元のスマホが激しく音を立てた
「おっと⁉︎ 呼び出しだ! すいません! お代はここに置いておきます! では!」
――― カランコロン ―――
「今のお客さん、ぼやぼやしている暇もなかったですね〜」
「ボヤにしておかないといけない仕事だからね」
ただ、問題を起こした消防士はFIREになったそうだ。
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