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第92話
今日もとある喫茶店の日常が過ぎていく。
ヨーコくんがコーヒーカップを保温機に並べつつ、チラチラッとこちらを横目で見ながら、やがてオフンと咳をして話かけてきた。
「んっ、んん……! そういえばマスター! この前アスカさんと映画の話をしてましたよね?」
「そうだね、ネット配信の会員になったから何かお勧めがないかって。ヒッチコックとか勧めてみたよ」
「だいじょうぶです? アスカさん、ホラーとか怖いの超苦手ですよ」
「ヒッチコックはミステリーだから大丈夫だよ」
「そうですか〜? ああいうのって確かサイコロジカルホラーっていうんじゃないですか?」
「いや、せいぜいサスペンスでしょ? 大げさだよ」
――― カランコロン ―――
「マスター! あの映画ホラーだったじゃない!!」
「ほら〜」
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