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とある喫茶店の日常。  作者: TiLA
第9章
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第89話

 今日もとある喫茶店の日常が過ぎていく。


 サラリーマン風の男が話かけてきた。


「昨夜、出張帰りに終着の東京駅で降りたんですよ」


「ほう、それで?」


「ホーム奥のエスカレーターが普段上りなのに下り運転になっていましてね」


「夜遅かったんですか?」


「ええ。もう東京からの発車がない時間だったんで、降りる客しかいないから反転運転に切り替えていたんだと思うんです」


「まさに逆転の発想ですね」


「日本人のホスピタリティ精神は凄いと思いました。注意しないと気付かないことでもやるんだから」


「同じサービス業として見習いたいですね」


「この国にはまだのぞみがあると思いましたよ」


「おや? 最終はもう終わってたのでは?」


「ハハッ、まったくだ。おっと、もうこんな時間だね」


 男は右腕の時計をチラッと見て立ち上がった。


「コーヒー美味しかったよ、ご馳走様」


「またのお越しを」


 ――― カランコロン ―――


 立ち去ったお客が飲み干したコーヒーカップを下げる。


 持ち手とスプーンの柄は出した時と同じ左向きだった。

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