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第50話(第5章-最終話)
今日もとある喫茶店の日常が過ぎていく。
「マスターさぁ、俺が本当に疲れてて泣きそうな時とか、あの人の顔が見たいなぁとか、傍にいてくれたら良いよなぁって思う時に浮かぶ人の顔って、たぶん自分にとって一番大切な人なんっスよね」
「そうでしょうね」
「恥ずかしながら最近、俺にもようやくそういう人が出来たっス」
――― カランコロン ―――
「福沢諭吉っていうんスけど、マスターご存知っス?」
「う〜ん、細かいのお持ちじゃないっスか?」
またしばらく閉店します。
次の機会にお会いしましょう。




