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第40話(第4章-最終話)
「で、結局とくに何もなかったってわけ?」
「そうなんです〜。でもありがとうございました!」
「ま、たまには塩を送るのもね。持ちつ持たれつよ」
「あ〜〜〜。あっ、いらっしゃいませ〜」
カランコロン
「お客様、本日のコーヒーお待たせしました」
「今日のコーヒーは何かしら? マスター」
「グアマテラのワイカン。マヤ語で『夜空に輝く星』です」
「あら、素敵。って、どうしたの? ボーッとして」
「いや、そういえばこんな話によく付き合ってくれるなと……」
そう言って、ヨーコちゃんの方を眺めたマスター。
「それ、絶対に本人の前で言ったらダメよ」
「え? そうなんですか?」
「そうよ。そういうものなのよ、ウフフ……」
今日もとある喫茶店の日常が過ぎていく。




