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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オン76】イベント騒ぎは大騒ぎ




 ランランと輝く目でパニアの事を眺めていた。


「しばらくは、この集落や君達の周りの事を調べるけど良い?」


『別に邪魔にならない良識的な範囲でなら』


「ふふ~ん、ありがとね」


 ふにゃっと柔らかい笑顔を向けられたと思ったら、すぐに畑を見に行ってしまう。


 ウサギさん達に付かず離れず、彼等の邪魔にならないギリギリのラインで見ている。


 新顔のミカさんに戸惑いながらも、畑を耕したり野菜の調子を見回っている。


「そういや、小さい泉は何処に作るつもりなんだ?」


『う~ん、考え中~』


 受付嬢さんに交換してもらった泉(小)生成アイテムを取り出してみる。


 大きさ的には丁度オレの畑が丸々一面入るくらいだ。


 少し高く掲げてみると、太陽の光に反射する様に地面に範囲分の光の環が出てくる。


 自分の畑部分まで持っていくと、すっぽりと輪の中に納まる。


「落とすんじゃないぞ」


 からかいながらティフォが声を掛けてくる。


『そんなヘマはしません』


 そこまで鈍臭くないっての。


 大体の範囲は想像できたし、何処に泉を作ろうか周りを見回しながら歩いていた。


「こういうのを何て言うんだっけ?」

『なにが?』


 顎に指先を当てながら、何か思い出そうとしているシュネーはほっといて、さっさと泉に良さそな場所を捜し歩く。


「アレでござるな。フラグを立てるってやつなんだな」


「そうそう、それだ~」


『君ら失礼だね、オレがそんなまっ――ほぇ⁉』


 ホームを一周して最初にスタートした自分の畑の位置まで戻った時に、耕した畑の土に躓いて、自分の畑に顔面からダイブしてしまう。


 転んだ場所は耕したフカフカの場所だったから何事もなかった。


 慌てて起き上がって周りを見回した時にはもう遅く、徐々に足元が水場が出来ていく。


「スノーちゃん⁉」

「スノー大丈夫⁉」


 ケリアさんとシュネーが凄い勢いでオレの元まで来てくれた。ケリアさんは優しく抱っこしてくれて、颯爽とその場から飛び跳ねてホーム側へと連れて行ってくれた。


「見事なフラグ回収だったんだな」

「とくに何ともなさそうだが……こりゃどうすんだ?」

『うぅ~、どうしよ』


 シュネーが顔に付いた泥をふき取ってくれながら、泉が出来ていく過程を一緒になって眺めている。


 泉生成アイテムがオレの畑中央で浮かんで、反射した光の輪から内側は全面が泉になってしまっていて、もう中止には出来ない。


「ありゃ~、すっかり泉が出来ちゃったね~」


『使用ってコマンドを選択してないのに、なんで発動したんだろう?』


 選択欄に使用するか「はい」「いいえ」でアイテムをインベントリに仕舞っちゃえば使わなずにすむのに、オレはどっちも選択していない。


「多分、【投げる】って感じの使用方法ね~」


「錬金術師が良く使う戦闘方法ね、アイテム欄から出したアイテムを投げ捨てると勝手に使用扱いになったりするのよ」


「あとは投擲なんかの装備アイテムも似たような使用方法なんだな」


 家の近くに作るつもりはなかったのに、どうしよう。


「ねぇねぇ、それよりもさ……イーゴさんから貰ったタネってどうなったの?」


『あっ⁉ どう……なったんだろう』


 シュネーに言われるまですっかりと忘れていた。


 確かに畑の中央に適当に埋めたタネがあった。


「そりゃあ、泉の中だろ」


「けっこう深いんだな……少なくとも、ケリア嬢の肩くらいまである感じでござる」


 ガウは近くにあった木の棒を拾って泉の底目掛け、沈めていく。しゃがんで腕が丸々と泉の中へ吸い込まれていって引き抜くと、確かにケリアさんの肩くらいは余裕である。


「水中やらある程度の深さがある水場って、【水泳】や【潜水】系のスキルかギアを持ってないと溺死するから気を付けなさい」


 この場に居る全員が顔を見合わせる。


『誰か持ってる?』



 一人一人見ていくが、全員が左右に顔を振った。



「私ってリアルでも金づちでね、泳ぎはからっきしなのよ」

「拙者はまだ取ってないんだな」

『そっか……ん~、何とかしないとだよね』




 そう考えていると、泉の中央がボコボコと泡が噴き出してきた。





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