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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オフ72】イベント騒ぎは大騒ぎ



 其々に一旦休憩がてらお昼を食べ終えて、リビングでぐで~っとしている。


「休憩がてら昼飯を食ってるが……どうするかね~」


 ソファーの前に座って体を伸ばしたりして解している樹一が、テレビを見ながら呟く。


『ねぇねぇ樹一、聞きたい事があるんだけどさ』


 樹一の近くまで行き、前屈をしている彼を突っつく。


「なんだ?」


『職業の鍛冶師とか錬金術師ってさ、別に他の職業でも作れるんだよね?』


 オレの書く文字を見ながら、ホワイトボードを受け取る。


「あぁファーマーでも問題なく錬金術は出来るぜ」


 胡坐をかいた樹一の膝上に乗っかってそのままお喋りする事にした。


『職業にする意味は無くない?』


「そのことかね、それはだな――」


 さっそうと横に登場したのは雷刀だった。


「オイラが説明するんだな!」


 ソファーに腰かけながら、テレビを操作してアニメを垂れ流し始めた。


「なぁ、昼飯休憩や夕飯の度に思うが、何でお前らが此処に居るんだよ?」


 樹一がリビングの食卓テーブルに顔を向ける。


「皆で食べた方が美味しいから?」


「お昼を明るく華やかにして上げてるのに文句? 良いご身分ね」


「兄ぃは自分がどういう状況に置かれているか、考えた方が良いよ」


 三人の女の子が其々にパソコンや携帯電話を弄っていたり、雑誌を見て居たりしていた。


「なんだよ、怖いこと言うな」


 ちょっとどもりながら、冷汗を拭ってオレをチラチラと見ている。


「此処が翡翠の家じゃなくて、学校だったら血の雨だね」

「その中心は間違いなく……チラッ」

「雨というより、海に沈められる?」


 三人の視線が絶対零度の如く射抜いている気がする。


「……もう、何も言わん。助けて下さい」


 オレを一生懸命に膝上からどけようとしているが、今は丁度良い座椅子がリビングには無い。だから座り心地も問題ない樹一の上が安定するので抵抗して座り続ける。


「無理」

「ヤダ?」

「自分で何とかしてよ」


 なんか部屋の温度が更に下がった気がした。


「翡翠~、皆がイジメるんだけど⁉」


『ん~? よしよし?』


 なんか良く解んないけど樹一が涙目で訴えてくるので、頭を撫でてあげる。


 どんな悪乗りなんだろう? 樹一が変なのは今に始まった事じゃないか。


「……ちっ」

「呪う?」

「はぁ~、早く埋めないとね」


 何故かガクガクと揺れる樹一が面白くって、もうちょっと体を寄せるように座った。


「なんでだよっ⁉」


 オレの行動が予想外だったのか、少し大きな声を出されて体がビクッと反応した。


「説明を開始しても良いんだな?」


『お願いします』


 雷刀が哀れんだ様な、嫉妬交じりの様な良く解らない雰囲気を醸し出している。


「一番簡単に説明しちゃうと、専用アイテム作成が出来るか出来ないかって違いなんだな。錬金術師という職業でしか作れないモノが多くあったりする。それはもちろん鍛冶師も同じで鍛冶師でないと作れない武器・防具が数多く存在するんだな。

 一番身近で見たことがあるのが、ケリア嬢の衣服だよ。

 アレは裁縫職人でないと作れない防具衣装で間違いないんだな。それに使われている特殊糸も錬金術師でしか作成できないとみて間違いないと思うんだな」


 最初から装備していた服だったけど、それほどに手間暇が掛かってるんだな。


「あのエフェクト満載の衣服ね、面白い服だよな」


「感情アクションと組み合わせている所も、かなりの評価ポイント高しなんだな」


 細かい動きにまで色んなエフェクトが発生するから、傍に居ても楽しいんだよね。


 きっと一生懸命に考えて創ったモノなんだろうな。


『じゃあ専用制作系のアイテムじゃなければ、誰でも作れるって事だよね』


「そうなんだな、簡単な回復アイテムなんかも作れるはず」


「多分だけど、鍛冶だとバネなんかは鍛冶師専用作成だろうな。作れるとした矢尻くらいだろうよ、木工だと矢が作れるってかんじだろうね」


「樹一妃正解。弓の方は初期装備くらいしか作れないんだな。鍛冶もダガーくらいしか作れなかったどうなんだな」


『それじゃあ罠って自作出来ないのかな』


「それは……分からないんだな」


『ん? どういうこと?』



「罠の制作ジャンルがどれに分類されるか、正直に言って分からないんだな。鉄柵やトラバサミだったら鍛冶師の分野にはなるんだとは思うんだけど」



「もしかしたら自分で作れるんじゃないか? 罠に使うパーツが揃っていれば」



『どのみち、タムさんの制作待ちだね』





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