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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オン71】イベント騒ぎは大騒ぎ



 オレ達の前にケリアさんが出て行って先頭に立ちながら呆れた様子だ。


「まさか貴方から出向いて来るとは思わなかったわよ」


『このお店を選んだのはケリアさんでは?』


 ここまで一直線で向かっていたように思うんだけど。


「えぇ、この店は確かにミカの店でもあるけどね、何時もは別の子が仕切ってるのよ。あんまりあの子にスノーちゃんを近付けさせないようにはしてたんだけどね」


 お店自体は何人かでお金を出し合って建てたものなんだ。


 店番を全くしていないミカさんが居るとは思わなかったんだね。


 確かに、店に入った時に驚いていた感じがあったもんね。


「ほんと、のらりくらりとアタシのお誘いを躱してくれたわね」


 眉をピクピクとさせながらケリアをジト目で睨んでいる。


「あら、私は自由気ままに生活していただけじゃない」


 肩をワザとらしく落としながらケリアさんが言う。


「アタシの撒いたエサにも食いつかないでよく言うわよ」


 更にミカさんがむくれっ面になりながら叫んでいる。


「だってそれよりも良いモノを手に入れちゃったんだも~ん、程度の低い餌に食いつく程に飢えてないのよねぇ~。残念でした」


「それに加えて、なによ、なんでいつの間にアンタまで一緒に居るのよ? エスケープナイトの癖して、いち早く仲良くなってんじゃないわよ」


 今度はガウを何度も指さしながら怒っている。


「だから拙者はガウだと言ってるんだな。それに、元々知り合いだったんだな」


「それならさっさとアタシに教えてくれても良くない⁉」


「リアルを持ち出すなんて、そんなマナー違反はしないんだな」


「どいつもこいつもアタシをのけ者にしてさぁ~。ズルいズルいズル~い」


 見た目の妖艶さは何処に行ったのか、ジタバタと子供の様に駄々っ子になっている。


「彼女は本当に情報屋なの?」


「えぇ、残念な子だけどしっかりとした情報屋よ」


『残念なんだ』


「もう治らない中二病なんだな」


「そりゃ、残念だな」


 全員から何とも残念な視線を一心に浴びて、幼稚行動がピタッと止まる。


 恥ずかしそうに顔を背けなら、咳ばらいを一回。


「おまけに言っちゃえば、情報屋なんて始めたのは陰キャな自分が人に絡みやすく、頼って貰えるってんで始めただけだしね~」


 咳払いが本当に詰まったかの様にせき込んでいる。


「まぁ、しっかりと秘密は守るんだな。信頼できる情報に裏取りまでやるから、信頼は出来る子なんだな。金の亡者だけど」


「お金は幾ら在っても困らないのよ。お金の力をなめんじゃないよ」


 ガウの残念そうな言葉に、すぐに反応して叫びだした。


「銭ババって呼ばれるのも納得よね」


「アタシはまだまだピチピチじゃい、麗しの世代だ⁉」


「濃いな、この人」


「イジられキャラなんだよ、きっと」


「そこ二人、聞こえてんのよ。せめて突っ込まれないくらいに声をおさえなさいよ」


 誰かに何かを言われたら突っ込まずにいられない性格らしい。


 本当に陰キャな人なのだろうか? 人見知りが激しいだけではないかと思う。


『それで、オレ達に何か用なのでは?』


「……マイペースな子ねアンタ。コホン、それでは色々と聞きたいんだけど、グランスコートの攻略は何処まで進んでいるの?」


 取り繕った様にオレにだけは、お姉さんポジションを維持したいらしい。


「あぁその辺の面倒な説明はメモに書いてあるでござるよ」


 ミカさんがオレに寄る前にガウが間に立ちはだかって、今まで纏めていたメモを出した。


「…………用意が良いじゃない」


 何故か悔しそうにしながら、名残惜しそうにオレを見ている。


「それを読んで、情報をいくらで買ってくれるか検討して欲しいんだな」


 メモとオレとをミカさんの視線が行き来して、観念したようにメモを受け取った。


「……本当にちゃんと纏めて書いてあるわね」


 微かに、本当に微かにだが舌打ちが聞こえた気がした。


「それじゃあ用事は終わったわね。帰りましょうか」


「待て待て待ってよね⁉ 帰らないでよ」


「なんでござる? 拙者らは別に暇ではござらんよ」


「もう少し構ってくれても良いでしょう⁉」


「嫌よ、そう言ってすぐに解放してくれたことないじゃない」


「アタシが居れば色々と知れるわよ」


 なんか知らないけど、何時ものケリアさんとガウじゃない気がする。


 二人ともどうしたんだろう。なんか嫌にオレとミカさんとの間に壁を作っている。


「対価が必要なんだろ?」


 ティフォも何かを察したのか、急に二人の様にミカさんにトゲトゲしい態度になった。


「当然でしょう……でも、誰でも知ってる事なら別にタダで教えてあげても良いのよ」


「別にいらないかな~って、僕は思うの」


『そうだね、自分で歩いて、ちゃんと見たり聞いたりして調べますから』


 聞くだけじゃ分からない事も多いし、別に良いかなって思う。


「そう……そこまで言うなら、仕方ないわね……所でアナタは何で喋らないの?」


「喋らないじゃなく、喋れないんだよ」


『すいません』


「いや、いいの。ごめんなさい不躾な質問しちゃって」


「じゃあ、帰るわよ」


 ケリアさんが早くと言わんばかりに、オレとシュネーの背中を押してくる。


「む~、久々にあったのにぃ~。……あっそうだ。ねぇねぇ、アタシとフレンドになろうよ。良い情報とか教えてあげるし、コレからも何かと聞きに行ったり、仕入れたい情報があったらアタシに連絡くれれば良いしさ、ねぇどうかな?」


 何か必死にオレ達の前に回り込んできた。


「ん~、良いんじゃないか?」


 ため息を付きながらティフォが視線を落として答えた。


「僕はどっちでも良い感じ~、なんか面白そうな子だしね」


『それじゃあ、えっとフレンド申請します?』


 ミカさんがすっごい晴れやかな笑顔で何度も頷いている。


「するする。もちろんするよ~。ねぇ、暇な時に遊びに行っても良いかな」


『まだ何にもないですよ?』


「良いの~、大体の人が情報しか持ってこなく詰まんないんだもん。アタシだって開拓で変わっていくグ

ランスコートを、この目に見てみたいのよ」


「はぁ、邪魔するんじゃないわよ」

「コレの見張りは拙者とケリア嬢でやるんだな」

「なんでアタシは危険人物扱いなの⁉」

「自分の胸に手を当てて考えなさい」




「結局、錬金術師の事はあんま分かんなかったな」



「今度で良いでしょう、何か今日はどっと疲れた気がするわ」



『時間も経ってるし、また明日?』





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