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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オン50】役割、開拓、初めの準備



『ちょっとゴーレムの周りを歩いてよう』


 本体のコアに不用意に近付くよりも、周りの様子見から始めよう。


「ん? すぐに行かないのか?」


 すぐにでも行きたそうなティフォの歩みが止まった。


 ティフォはああいう感じのモンスターが隙だもんね。ゴツゴツした岩で出来た体は多少不格好だけど、大きくて力も強そうだ。


『タリスマンの効果範囲を知りたいかな。もし仮説通りなら少し面倒だと思うから』


「なんで? 決まった範囲しか移動しないんじゃないの?」


 範囲内がエリア限定か、ゴーレムを中心としてかは、分からないんだよシュネー。


『だって仮説通りならメインのコアと別のメインコアは連携が取れるんでしょ? 移動式の本体コアが中心だったら反応がズレるんじゃないの?』


「なるほど、確かにそういう可能性もあるわね」


 ケリアさん以外がポカンと口を開けてオレを見ている。


「申し訳ないんだな。分かりやすくして欲しいな」

「僕も右に同じ~」

「じゃあ左にって……ケリアさん分かったんか?」


 三人とも迂闊過ぎないか? 罠を仕掛けるモンスターなのに。


「あら、メインのコア同士が一定距離を開けて同時に移動したりって可能性じゃないの?」


『ケリアさん正解、だから無駄な危機回避の為に限界距離を辿ってみれば、下手な誘導には引っかからないかなって思って』


 罠系のモンスターなら、周囲から警戒しないと怖いじゃん。


「その言い方だと、ゴーレムに思考があるように感じるでござるよ」


 ガウが意外だという感じで呆けている。


『えっと……あるでしょう?』


 なんだろう、ゴーレムは知性の低いモンスターだとでも思ってるのか。


「……よし、認識のズレを確認しようか」


「そうね、それが良いんだな」


 頭に手を当てて、ため息交じりにいうティフォに、すぐさまガウが賛同する。


「さて、問題です。スノーは何時からゴーレムに思考があると考えていたでしょ~うか」


 シュネーが面白半分にクイズ形式にして、質問を出した。


 これ、オレが回答するのかよ。


『初めから?』


 とりあええず、シュネーに乗って答える。


「なんで疑問詞なのかしらね、この子は。というか最初からなのね」


 ケリアさんも意外という雰囲気でオレを見ている。


『だって契約するんだから、あるんじゃないの? 逃げるっていうし、開拓のお手伝いをして貰うんだから、少なくとも思考能力がある程度は高くないと無理じゃない?』


 平然と答えたら、しばらく皆が沈黙した。


「あ~、うん。そうだな」


「ゲーム慣れした我らの敗北でござるな~、あまりゴーレムが知識系のモンスターというイメージが皆無だったんだな」


 そんなこんなで、ちょっとふざけている間にタリスマンに変化があった。


 反応した場所から動いて居ないのに、反応がなくなったのだ。


『あ、止まった? ん~っと、百メートルぐらいかな? 良かった~、囮を囮にした感じの罠じゃなくって。一々、本体のコアが別で隠れながら移動してるって性格悪いもんね』


 なにか周囲から息を呑むような音が聞こえた気がする。


 少しの沈黙の後にようやくケリアさんが口を開いた。


「いまなんか、エサを目の前にぶら下げられた動物の気持ちになったわ」


「ティフォナス氏。子供に何を教え込んだのでござるか? あのバカ者。純粋無垢なスノー姫を拙者、見たかったでござるな~」


 なんか、表現しずらい視線をガウとケリアさんから感じるんだけど。


「俺に聞くなよ。――おい、お前ももうちょっと子供らしく出来んのか」


 ティフォが近付き、小声で喋りかけてくる。


『純粋枠はシュネーに任せてるから、大丈夫でしょう』


 個人チャットに瞬時に変えて、メッセージを送る。


「ケリアん、頑張ってスノーちゃんを可愛くしてこうね」


「そうね~これは色々と捗るわね」


『やめい、今でも小鳥ちゃんや母さんのせいで、変に女性らしくって意識しちゃうんだから。そう簡単にオレを懐柔出来ると思うなよ』


 オレはまだ心まで女になるつもりは無い。


 息を吸って胸を張って言うオレに、全員が残念なモノを見た感じで一斉にため息を吐きやがった。

なんで皆同じ反応なんだよ、失礼だな。


「おいシュネー、なんか対策を打っとけよ。このままだと危なっかしいぞ」


「うん、考えとく。母さんに相談するよ」


『だから、やめろと言うとるんじゃい』


「女らしさを学ぶなら、ティフォナス氏と居れば身に付くのではないか? 言葉はケリア嬢か小鳥嬢に期待なんだな。というか、千代さんが良く許してるでござるな」


 許してくれてはいない、オレを懐柔しようとしてきている。

 しかも嬉々として、小鳥ちゃんも参加し包囲網が出来つつある。


『ノーコメントで……後はあのゴーレムと、どうやって契約するかだね』


「話逸らすの下手だな、お前」


 もうティフォは残念を通り越して、憐みの目でオレを見ている。


「まぁまぁティフォナスちゃん、そこが可愛いところじゃない。それよりも、ほんとにどうやって契約するのかしらね」


「戦闘はNGなんだござるよな?」


「戦っても俺達じゃあ勝てないしな~、かといって何もしないんじゃあ契約出来ないし」


 大前提としてオレもティフォもゴーレムには敵わない。戦闘関係は論外だ。


「とにかく、あのゴーレムに付いて行ってみない?」



『観察は大事だね』



 シュネーの案に皆が賛成して、しばらく対象のゴーレムを尾行することにした。




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