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ズィミウルギア  作者: 風月七泉


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【オフ23】ファーマ―の人気が無い理由

お盆休みですが、皆さん帰省ラッシュやらUターンラッシュと、混雑には十分にお気をつけてくださいね。

渋滞とか人込みは疲れますよね~( ;∀;)


 爺ちゃんがギュッとオレを膝上に抱っこして、動かない。


「お~い、いい加減に放してやってくれよ」

「むぅ、もう少し良いではないか」

「良かねぇよ。まだ色々と行きたい場所があんだから」

「お前もどうじゃ? ユキの抱き心地は最高だぞ~」


 樹一は一瞬だけオレを見て、目が合ったのを気にしてか慌てて顔を背けて咳払いを一回。


「お前も大人しく座ってんじゃねぇ」

 今度はちょこんと座っているオレが標的にされた。


「んっ、ふぁ~」

 思わず出た欠伸、大きく口を開いて涙を手で擦ろうとするが、パッと腕を掴まれてお母さんに止められてしまった。


「こ~ら、目をこすっちゃダメよ」

 ハンカチを取り出して優しく目元を拭いてくれる。

 秋堂家の縁側でかれこれ三十分は繰り広げられているだろうか、もしかしたら一時間くらいは軽く過ぎているのかもしれない。


「ねぇねぇ、兄ぃ? なんで翡翠ちゃんにアレの使い方を教えないの?」

 小鳥ちゃんがオレの腕時計……じゃなくてリルギアを指さしている。


『コレ? 使い方は習ったよ』


 確かに全部の機能を使いこなせている訳ではないけど。


「あぁ~、いやそのなぁ」

「どうしたの? 今から教えておいても良いんじゃないの?」

「いや、あまり翡翠に教えてもあまり意味がないんだよなぁ~」

「へ? なんでよ」

「翡翠はファーマ―だから、創れる技や魔法って今のところ無いと思うぞ」

「えぇっ⁉ なにそれ」


 ――二人だけに解る会話は止めてほしいな、ちょっと寂しいぞ。

 いや、分かっていないのはオレだけで、桜花ちゃんも葉月ちゃんも会話の内容は分かっている感じの反応をしているようだった。


 彼女たちは目を大きく開いてオレをガン見している。


『オレにも分かる説明を求む』


 スケッチブックに大きく字を書いて、爺ちゃんの膝上から飛び降り高くに掲げて見せる。

 離れた後に爺ちゃんをチラッと見たら、やっぱり少し寂しそうにオレを見てくる。


「俺達のやっているゲームはな、自分で考えた技や魔法を創る事が出来るんだよ」

「すみませんが、スケッチブックを使っても良い?」


 オレは言われるままにスケッチブックを差し出して、手でOKマークを作った。

 鉛筆でササッとやけにコミカルなキャラを描いて説明してくれる。


「「もちろん、強すぎるモノは幾らか修正や作れなかったします」」


 ゲーム内のAIはもちろん、ゲームマスターや運営の人達と、吟味されて創られる。


「「作り方は色々で、絵で描く人もいれば、文章で作る人も居ます」」


 ゲーム内でも創る事は可能で、魔法研究所という所に行けば魔法を、技能系は総合訓練所という場所に行けば良い。


 もちろん、創るには色々なリスクや必要なアイテムだったり、リルギアを使って必要な素材となる写真だったり動画を撮ったりしなくてはならない。


 その他にも色々なポイントやスィア(ゲーム内のお金)が必要とされる。


「ちなみに創られた技や技能を【ギア】、魔法は【スフィア】と言うぞ」

「創られた技や魔法、これらは進化させることも可能?」

 そう言い終えると同時に、もう絵が出来上がっている。


「進化には個人個人の考えや使い方で変わったりしますよ」


 葉月ちゃんの絵には分かりやすく、火の玉の初期魔法を野球の様に投げて爆発させる人から矢印が二つに分かれ、弓矢の様に変化していたり、ブレスの様に進化していたりした。


「ファーマ―は戦闘系スキルをほぼ取得が出来ないから、人気がないの」

「ファーマ―の人気は今や底辺」

「まぁ、ゲーム内でも説明したが、ファーマ―にしか出来ない事が多くあるんだがな」




迎える方も方で、色々と準備している訳ですし、休みと言ってもやること多いですよね。


とりあえず、この連休で頑張ってちょこちょこ上げていこうと思いますの。

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