【オンライン】159話:イベント騒ぎは大騒ぎ
人数が少なくても、何とかなる活路は見えた。
あとはどうやって、相手の敵陣を使えなくするかって方法なんだけど。
「これは……どういう事よ? 前に聞いていた情報とかなり変わってるわよ」
ケリアさんの驚いた声が響いて聞こえる。
「分からないんだな。ここ何日かの間に進化したにしては異常な成長なんだな」
「一週間くらい前は掘っ立て小屋みたいなヤツだったじゃない。それがどうやったら、立派な建物が建設できる程の知識を得るのよ」
アズミルもガウも困惑した様子を隠せず、頭を抱えた様子だった。
僕等が見つけた情報を元に作戦を組もうとしたのだが、鬼達の陣地が人間が普通に住んでいる様なしっかりした建物に変わっていたのだ。
前に見た時は木組みで出来た掘っ立て小屋だったのに。
「ちょっと皆、原因が分かったよ!」
偵察班が見た情報を最初に知ったミカさんは情報を集めに何処かへ行っていたようだけれど、何か原因を掴んだようだ。
「どうやらプレイヤーがイベントの敵に多く倒されるとね、敵側が少しづつ強化されていくようなのよ。強化される内容って言うのが敵陣から順々に強くなっていくみたい」
「倒されるって、ボク等の被害は皆無でしょう?」
シュネーが不思議そうに言う。
確かに僕等の陣営では被害者は居ない。
自陣の範囲内で戦っていたし、罠に嵌めたり、誘い出したりで敵側に寄る事無く安全に倒せる事を前提に戦っていたからね。
〈ジャンシーズの人達?〉
「でしょうね。元々、大きな被害を出しながら突っ込んでるって話だったしね」
ミカさんが御凸に手を当て、項垂れる様に肩を落としている。
他の人達も同じ感じで頭を押さえている。
ヴォルマイン側の被害も多少はあったと言うが、そこまで酷い状態だとは聞いていない。
それに被害が大きかった場合、少なからず情報は僕等にすぐ伝わってしまうし、助けくらいは求めてくると思うんだよね。
男のプライドとか言って意地を張らなければ……という前提の話ではあるけど。
〈ガウ、アズミルも偵察してきたばかりで悪いんだけど……ヴォルマインの様子も見てきて貰えないかな。あっちから知らせてきた情報通りなら良いんだけどね〉
「あ~そうね、その可能性は考えてなかったよ」
僕とアズミルはティフォの方へ自然と目線が行ってしまう。
「なんだ? どういう事だよ」
ティフォは僕等が見る視線の意味が分からずにオロオロしだした。
「ちょっと、まさかヴォルマイン側も問題ありなの⁉」
シュネーも察しが付いたようで、僕とアズミルが考えてしまった可能性に気付いた。
〈何もなければ……良いんですけどね〉
「男の子だものね~、しょうがないとは言えども。状況が悪化してるんじゃあダメダメね」
ケリアさんがため息交じりに、肩を落としながら言う。
ミカさんの情報は確かなんだろうけど、どうも曖昧な点があるんだよね。
戦いの経験で敵が強くなっていくのは理解出来るんだけど、急激に陣地の質が向上するような知識も同時に上がるのだろうか、という所だ。
〈ねぇガウ、魔物ってさ、知識の能力値って戦ってるだけで上がるモノなの?〉
僕はゲームに詳しい訳じゃないから良く解らないだよね、その辺の常識的な事って。
「一般的なゲームならレベルが上がれば全てのパラメーターが上昇するものでござるが……ズィミウルギアは各スキルにポイントを振っていく感じなんだなだから、だから、力を使い続ければ力が上がるって最初に説明を…………それは、魔物でも同じ、はず」
ガウが説明してくれる過程で、段々と険しい顔になっていく。
それを聞いていた周りの人達も次第に考え込む様になり、真剣な表情になっていく。
「盲点だったわね、当たり前すぎてすっかり頭から抜け落ちてたわよ~。凄いじゃない」
ケリアさんに優しく頭を撫でられた。
「悪いんだけど、ちょっとの間だけ情報屋の仲間達と行動するね。半日、いいえ。一日くらいで正確な情報を集めてくるから」
ミカさんは慌てた様子でホームから飛び出して行ってしまった。
「コレは、すぐに動いた方が良さそうなんだな」
「お姉様にカッコ付けたいって気持ちは解らなくないんだけどね」
アズミルは呆れて愚痴を漏らしながら、ガウに続いて偵察に向かって行った。
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