第97話 こっくりさん、そして再戦
「こっくりさん、こっくりさん、おいでくださいませ、侵入者に裁きを」
物騒な事を言ってる。
「こっくりさんはヤバいのよ!!」
メリーさんが怯えている。
「私も前に友達とやった事あるけどなにも起きなかったよ」
まぁ、友達が動かしてたりはしたけど……。
「なにか出てきました!!」
「主様、おさがり下さい」
老猫将軍が私の前に立った。
「こっくりさんは、佳奈達人間がやってもあまり効果はないの、死者または怪異がやると化物を召喚したり出来る儀式なの、大体は低級の子狐とかなんだけこの世界だと多分あいつが……」
メリーさんは召喚される者に心当たりがありそうだ。
「ん? 狐? まさかね」
「いえ、佳奈さん、そのまさかですね」
「……あ……ああ……」
花子さんが後退りしている。
かんかんも呪符の準備をしている。
「この時を待ちわびたぞ!! お前達に復讐出来るこの時をな!!」
こっくりさんから召喚されたのは、以前死闘の果に倒した九尾の狐だった。
しかも、周りにいた数人の女の子は全員ゾンビにかわっていた。
「先手必勝です。呪符・多雷撃」
雷の槍のようなものが九尾の狐とゾンビ達に向かっていく。
「がぁぁぁぁぁ」
効いているみたいだ。
周りのゾンビ達は一掃出来たようだが……。
「なんてな……そんなもの今のワタシに通用するはずがないだろう」
九尾の狐の尾に火が灯り始めた。
「今度はこちらから行くぞ、尾炎」
9つの火の玉が私達に向かってきた。
「……浄化の盾!!」
花子さんの盾で防げた。
「ありがとう、花子さん」
このままだとヤバい。
「主様、マシンガンを」
私は、老猫将軍の言う通りマシンガンを構え乱射した。
「ぐっ、少しやるみたいだな、だが、少し痛い程度だぞ」
これでもダメなのか。
「……あの〜、ちょっと良いですか? さっきから黙って見てたんだけど、そんなに苦戦しないでよ〜」
口を挟んだのはニャルだった。
「なんだ貴様は?」
「私? ニャルラトホテプ」
「ニャルラトホテプ? 知らんな、邪魔するなら貴様も殺してやる!!」
今度は9つの火の玉が1つにまとまり、巨大な火の玉になった。
「骨まで燃えつきろ!!」
ものすごい熱だ。
ここにいても燃えそうだ。
「ふう〜」
ニャルは息を吹きかけた。
すると火の玉は跳ね返り、九尾の狐に命中した。
「ぐきゃぁぁぁぁぁ」
九尾の狐が炎に包まれている。
「今よ、こっくりさんお帰り下さいって言うのよ!!」
私とメリーさんが机に置いてあるこっくりさんに指を当てた。
「こっくりさん、こっくりさん、お帰り下さい」
すると炎に包まれている九尾の狐が
黒い靄みたいなものになり消えてしまった。
「てか、ニャル強」
「確かにニャルさんは最強でした」
「やるじゃない」
「主様程ではありませんがなかなかです」
「……凄い……です……」
皆の感想は同じみたいだ。
「そんな事ないよ〜、私の強さには限りがあるし……」
「ん? 最後なにか言った?」
「えっ、いやなんでもない」
まさかまた九尾の狐と戦うとは思ってなかったけど、どうにか撃破し2階に進んでいった。
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