第96話 怪異学校
「そろそろ南の島付近だね。この付近に上に行ける通路があるはずなんだけど、なんか知らない建物があるんだけど? しかも、その建物の屋上から通路がのびてるみたい……」
ニャルが指差した方を見ると校舎みたいな建物がある。
「あれは!! 老猫将軍、あの建物に行って!!」
メリーさんが知ってる建物みたいだ。
「……」
老猫将軍の返事はない。
「……佳奈お願い……」
「老猫将軍お願い」
老猫将軍は私以外の言う事は聞かないみたいだ。
「分かりました主様」
「後、私以外のお願いも聞いてあげて」
「分かりました、主様のご命令なら」
これで皆の意見も聞いてくれる。
「止めて!!」
ニャンコ号は停止した。
「……やっぱり……ここは怪異学校よ」
(怪異学校? 聞いた事あるような?)
「……ここは……私達の……学校……」
花子さんが説明してくれた。
「ああ、メリーさん達の学校だ!! でも、なんでここに?」
クトゥルフの世界と混ざってるからなのだろうけど、なんでこんな場所に?
「中に怪異達がいるのかもしれませんね」
かんかんは冷静に分析している。
「……そうね。クトゥルフの影響も受けてると思うし、慎重に進みましょ。建物の中に入るからニャンコ号は使えないし」
「そうですじゃ、申し訳ございませんが、この先はニャンコ号は無理ですじゃ」
確かに、建物の中をニャンコ号で走るわけにもいかない。
「……中に行こ……」
花子さんは早く行きたがっていた。
「ネコ達はニャンコ号で戻らせますじゃ、ワシは主様と一緒に行かせてもらいますじゃ」
老猫将軍はついてくるみたいだ。
ネコ達が来ないのはありがたい。
来たら団体行動すぎるから。
「さて、行きましょ」
私達は怪異学校に入った。
中は普通の学校と変わらないようだ。
「佳奈達の学校と似てるでしょ」
言われてみれば確かに似ている。
「怪異学校は佳奈達の世界の学校に似せて作られたのよ」
かんかんが腕を横にして、私達に止まれと指示した。
「なにかいます」
私達は警戒を強めた。
「そこの教室から気配がします」
教室のドアを少し開けて覗いてみる事にした。
ゆっくりと開けて覗いてみると、そこには数人の女の子が机を囲んでなにかしている。
「こっくりさん、こっくりさん、ここに来る人はだぁれ?」
どうやら、こっくりさんをやっているみたいだ。
「こっくりさんですって!!」
メリーさんが突然大声を上げた。
「誰!!」
気が付かれてしまったようだ。
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