第93話 ガールズトーク
ニャンコ号は凄いスピードて走っている。
ニャンコ号は運転席の場所とは別に部屋がついていた。
しかもニャンコ号の部屋の中は冷房完備で快適だった。
「主様とそのお付の方々、お飲み物をどうぞですじゃ」
冷蔵庫まであった。
飲み物は普通のオレンジジュースだった。
「では、ダイラスリーンに到着次第またお知らせにまいりますじゃ」
老猫将軍は部屋から出ていった。
「わたしはコーラが飲みたかったわ」
メリーさんはオレンジよりコーラ派みたいだ。
「ワタシはドクターペッパーが欲しい所ですね」
ドクターペッパーってなんだろう?
私が聞いた事ない飲み物だ。
「かんかんは変わった飲み物が好きなの?」
メリーさんの質問から想像すると、ドクターペッパーは変わった飲み物みたいだ。
「あら、あれはとても素晴らしいものですよ」
飲み物の話題でニャンコ号の中は騒がしかった。
それに松本がいないからか、男の目を気にしなくて良いのが開放感がある。
松本がいると気にしてしまうから。
それに、こんな私を好きだって言ってくれたんだから……。
「あの〜、佳奈さん」
「なんですか?」
「あの後、松本さんとどうなったんでしょうか?」
「ゴホゴホ」
いきなりの質問に私は蒸せてしまった。
飲み物も少しこぼしてしまうほどだ。
「なっ、なんの事ですか?」
「告白されたのでしょう?」
あの時、かんかんはいなかったはずなのになんで知っているの?
「あっ、え〜と……」
「松本なら、しっかり佳奈に告白したわよ」
私はメリーさんを睨んだ。
これ以上余計な事を言わないでと言う気持ちを込めて睨んだ。
「でも、保留になってるのよね佳奈」
しかし、効果はなかった。
「そうでしたか、でっ、どうされるのですか?」
女は恋愛関係の話だとテンション上がってくるが、怪異の世界も一緒みたいだ。
しかし、相手の恋愛話なら良いのだけど、自分のとなると嫌か感じだ。
「えっ、その……」
なにも話せない。
「そんなの佳奈の態度見てたら分かるわよ、オッケーなんでしょ」
「そうなのですか?」
2人共、他人事だと思って……。
「まだ良く分からない……、確かに私の事を好きって言ってくれて嬉しかったし、ドキッともした。それに守ってくれて嬉しいとも思ってる。でも、松本とは小1からの友達で、この先も友達でいるんだと思っていたから……」
「……あ〜、惚気ありがとうございます」
「そうですね、ごちそうさまです」
なんでそう言う言葉になるのか?
「主様、見えてきましたダイラスリーンですじゃ」
老猫将軍が慌ててやってきた。
「おや、主様どうしたのですかじゃ? 顔が赤いようですがお熱がありますのですかじゃ?」
これは熱ではない。
「大丈夫、さてこの話はおしまいね。ダイラスリーンに行きましょ」
「また後で聞かせてもらうから」
「そうですね」
「2人とももう勘弁して……」
この話しはもうおしまいにしたい。
でも、私の中で松本の存在が大きくなっていっているのは事実だ。
私は松本の事を考え、胸に手を当てて、心臓の音を確かめていた……。
「やっぱりドキドキしてる……、私は……」
「佳奈、早くしなさいよ」
メリーさんが呼んでいる。
「あっ、は〜い」
私はメリー達の待つダイラスリーンの入口に走っていった。
この胸の答えは無事にここから帰れたら伝えよう。
そう思いながら走った。
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