第88話 餓者髑髏
ウルタールを出発した俺達。
まずは最初の目的地であるトゥーランに向かっている。
かなり距離があるみたいで、俺とさ〜ちゃんはシロクマの背中に乗っている。
自分達で歩くよりは早い。
「早く終わらせて池田に会いたい」
「女々しい事言ってんじゃないぜぇ〜、まぁとっとと終わらせるぜぇ〜」
まぁ、気持ちが沈んでいても仕方がないのは事実だ。
ウルタールを出発して、かなりの時間がたった。
辺りが急に暗くなってきた。
「なんか一気に暗くなってない?」
「そおかぁ〜?」
さ〜ちゃんはあまり考えないタイプだ。
「がぅ」
シロクマが止まっり、警戒している。
なにか来るのか?
俺はバッドを構えた。
「ぐゎぐゎぐゎ」
目の前に巨大な黒い雲が現れ、そこから、巨大な骸骨が現れた。
こいつは、俺でも知っている。
餓者髑髏ってやつだ。
「お前達はここで終わるのだ、ぐゎぐゎぐゎ」
笑い方が変だ。
「変な笑い方だなぁ〜」
さ〜ちゃんが突っ込みを入れてしまった。
「なんだとぉ〜」
予想通り怒り狂っている。
「覚悟ぉぉぉ」
餓者髑髏が腕で薙ぎ払いをしてきた。
「がぅ」
シロクマは俺達を乗せ、攻撃を回避しながら先に進んでいる。
あんな巨大な餓者髑髏なんて相手出来ないから逃げる1択だ。
それに、俺達には飛び道具がない。
攻撃の手段もないのだ。
「逃がすかぁ〜」
餓者髑髏は俺達を追ってきた。
だが、スピードはシロクマの方が上だ。
このまま逃げ切れる。
「これでもくらえ!!」
餓者髑髏の口から火を吐いた。
火は俺達にどんどん迫ってきている。
「シロクマ、もっと急いで!!」
しかし、どんどん距離が縮まってきている。
「そうだ!! 1枚だけかんかんの札を持ってきたんだ、呪符・洪水!!」
大量の水が火とぶつかった。
お互いがぶつかり合い蒸発してしまった。
「やったぜ!!」
餓者髑髏からも逃げ切ったようだ。
「斬りたかったぜ」
さ〜ちゃんに刀を持たせるのは危険かもと思ってしまった。
俺はさ〜ちゃんの刀を預かった。
戦闘の時に返すのが良いだろう。
「……早く……行きましょ……」
素のさ〜ちゃんとのギャプが激しい。
そんなこんなしていると、トゥーランの町が見えてきた。
ここで船に乗れば東の大陸にいけるはず。
早く情報を手に入れて池田と元の世界に戻るんだ!!
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