第87話 今後
「老猫将軍さん、これから私達は、どうしたら良いか分かる? 私達はこの世界をもとに戻して現実の世界に帰りたいの」
老猫将軍にする質問は全て池田がしている。
池田以外だと、答えてくれないからだ。
「主様の願いなら叶えて差し上げたいのですが、あいにくもとに戻す方法は分かりかねます。確かにこの世界にはいない者達が多数入り込んでいたり、一部の地域では変な建物が出現したりと聞いてはいたのですが……」
怪異世界が入ってきた事を行っているのだろう。
「なら、これから何処に行けば良いと思う?」
「ん〜、それなら危険ではありますが、ムナールを探してみてはどうでしょうか?」
「ムナール?」
「はい、ムナールとは大陸の事ですじゃ、そこにあるサルナスと言う都市でムナールの星石と言うのが取れると聞きますじゃ。その星石はこの世界全体を照らす聖なる星石と聞きますじゃ」
ムナール大陸にサルナス、そしてムナールの星石か……。
「そのムナール大陸は何処にあるの?」
「分かりませんのじゃ、この世界の何処かにあるのは間違いなのですが……」
大事な場所が分からないのか。
「ならどうしたら?」
「手がかりならありますじゃ、この世界は東西南北に大陸がありますじゃ、このウルタールがあるのは西の大陸ですじゃ、他にもダイラスリーンと言う都市もありる大陸じゃ、そして、ここから東の大陸にあるセレファイスと言う都市を目指すのじゃ、そこには王様がいるのですじゃ、その王様ならなにか知っているはずですじゃ」
なるほど、王様なら知っていてもおかしくはない。
「どうやって行くの?」
「ここから、トゥーランと言う町に行くのですじゃ、そこに東に行く船があるはずですじゃ」
(船旅か……いつか池田2人で)
「松本、顔がおかしいわよ」
メリーさんが顔を覗き込んでいた。
「おっ、おかしくない!!」
一体何処かおかしいんだか。
「……それにしてもかんかんさん起きませんね……」
確かにかんかんが目覚める様子はない。
「なら、ここから2チームに分かれるか?」
「2チーム?」
「ああ、1つにはセレファイスに行って情報を集めるチーム、もう1つはかんかんの目覚めを待って、さっき老猫将軍が言っていたダイラスリーンって町に行くチームだ」
「なんでダイラスリーンに? セレファイスに行けば良いんじゃないの?」
池田が聞いてくる。
「こういったのはいろいろな所から情報を集めた方が良いんだ、あっ、それと老猫将軍、北と南の大陸には何が?」
「……」
反応してくれない。
「北と南の大陸には何があるの?」
「はい主様、南はほぼ海域ですじゃ、唯一あるオリアブ島と言う島ですじゃ、そこにはングラネク山があると聞きますじゃ、北は良くわからないのですじゃ、ただ禁断の地として言ってはならないと言われていますじゃ、もしかすると、ムナール大陸は北にあるのかも知れないですじゃ」
禁断の地か……、ゲームだとラストダンジョンとかありそうだが、まだ情報が足りない。
「決まったなら、さっさと行こうぜぇ、さっきから動きたくてうずうずしてたんだぜぇ」
武器を持っているからかテンション高いさ〜ちゃんが痺れを切らしていた。
「なら、ワタシが決めるわ。残るのは佳奈、ワタシ、花子さん、行くのは松本、さ〜ちゃん、シロクマ!!」
池田と離れる事になってしまった。
まぁ、戦力を考えるとそうなるのか。
正直、池田と一緒がいい。
しかし、元の世界に戻る為だ。
俺達は行動を開始した。
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