第83話 ナイル川
今日からまた再開です。
おまたせしまて、申し訳ございません。
また宜しくお願い致します。
「この川はナイル川ね、怪異の世界よりドリームランドの世界の方が強くなってるのかしら?」
どうやら怪異達は出現するが、世界はクトゥルフのドリームランドよりになってしまっているようだ。
「メリーさん、もしドリームランドの世界ならこの付近には何があるか分かる?」
「ちょっと調べてみるわね」
メリーさんがクトゥルフの本を調べている。
無理して怪異図書館から持ってきたのは正解だった。
「この川を下ったところにウルタールって町があるみたい」
「町? こんな世界で?」
こんな化物ばかりの世界で生活が出来るはずがない。
人がいたとしても、化物が沢山っところだろう。
「まっ、とりあえず言ってみましょ。ここにいるよりマシでしょ」
確かにそうだ。
それに町なら池田を休ませたり、食事に誘ったり出来るかも……。
ってそんな場合じゃないのは分かってるが妄想が止まらない。
「でっ、どうやって川を下るんだ?」
「あそこにイカダがあるじゃない」
メリーさんが指差した方を見ると、確かにイカダがあった。
都合良すぎて逆に怪しい。
「そのイカダは大丈夫なのか?」
「疑り深いわね、そんなんじゃ佳奈と上手くいかないわよ」
「い、今、それは関係ないだろ!!」
池田には聞こえてないみたいだ。
「とにかく、どう考えても怪しい。シロクマ、ちょっと乗ってみて、違和感があったらすぐに降りるように」
俺はこのメンバーの中で1番重いシロクマをイカダに乗せて、丈夫さを確認する事にした。
シロクマなら万が一耐久がなくても、無事に戻るだろうと思っての事だ。
「がう」
シロクマはイカダに飛び乗った。
イカダを繋いでいた紐が解けて、イカダはゆっくりと川を進み始めた。
シロクマが乗ってもイカダはびくともしていない。
「乗り込め〜!!」
俺達はイカダに飛び乗った。
全員無事にイカダに乗った。
もちろんイカダは余裕で進んでいた。
イカダは徐々にスピードを上げていった。
「ふっふっふ、このまま無事に進めると良いわね」
「げっ、濡れ女!!」
メリーさんから濡れ女と呼ばれた女がいきなりイカダの横に現れた。
「メリーさんの知り合い?」
「こいつは濡れ女、怪異学校の同期なの」
しかしおかしい。
怪異なら凶暴化しているはず。
「……気をつけて」
花子さんが身構えている。
「こいつは陰湿な奴だから、クトゥルフの世界でも平気なんじゃないの?」
メリーさんが毒舌キャラになってる。
「あんた達、この先に何があるか分かってるのかしら?」
この先?
ウルタールって町じゃないのか?
「ウルタールとか思ってるんじゃないわよね? 確かにウルタールはあるわよ。ただ、滝の下にね!!」
「滝〜!!」
イカダは勢いを増して進んでいる。
「あれ見て!!」
池田が指差した方を見ると、水が下に落ちている。
滝だ。
「ふっふっふ、滝に落ちておしまいね」
イカダに乗ってるせいで、濡れ女に攻撃を仕掛ける事が出来ない。
「なんとかしないと!!」
「どうやって?」
「ワタシは飛べるから」
メリーさんだけ逃げるつもりか?
「メリー、飛べ!!」
さ〜ちゃんが、メリーさんの足を掴んだ。
「離しなさい。重くて飛べないわ」
そんなコントみたいなやり取りをしてる間にもう滝までの距離がない。
「もう駄目だ〜!!」
俺達は目をつぶった。
「終わりだ〜!!」
目をつぶり少したったが、落ちていく感じはしない。
ゆっくりと目を開けてみると、イカダが空を飛んでいた。
「えっ? どういう事? メリーさんがやったの?」
「ワタシはこんな事出来ないわよ」
こんなイカダが空を飛ぶなんてありえない。
どうなっているんだ?
「いや〜危なかったっすね。今回は特別っすよ」
何処からともなく声だけがした。
この喋り方はニャルラトホテプだ。
「助かった〜」
俺達は安堵した。
濡れ女もいつの間にかいなくなっていた。
イカダはゆっくりと下降していき、町の手前で着地した。
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