表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/170

第81話 雷獣

 階段を上がった俺達。

 そこは闘技場のような場所で空が見えている。


「よくぞここまで来たな」


 声のする方を見ると雷をまとった犬みたいなのがいた。


「メリーさん、あいつは?」


「あいつは、雷獣。ワタシたち怪異の仲間だけど、神獣に近いわね。さっき戦った炎駒以下、ワタシたち以上の存在よ」


 炎駒の方が上なのか。


「ほう、炎駒と言ったか? 何故ここに炎駒がいる!!」


「何故と言われても、下の階にいたぞ」


 雷獣の身体の雷は更に強くなってきた。

 どうやら、怒っているようだ。


「ここは、我の縄張りだぁぁぉ」


 ドカァーン

 

 雷が落ちてきた。

 

「ヤバい、池田頼む!!」


 すでにマシンガンを構えていた池田が乱射する。


「……なんだ? その鉛玉は?」


 マシンガンの攻撃は雷獣の雷によって防がれた。


「マジか!! あの雷をなんとかしないとダメなのか」


 しかし、雷をまとっている為池田のマシンガン以外での攻撃は危険だ。


「くらぇ〜」


 雷獣が身体から雷を放ってきた。


「松本!! そのバッドを投げてください!!」


 メリーさんが叫ぶ。

 俺はバッドを投げた。

 すると、雷がバッドに向かった。


「どうなってるんだ?」


「バッドを避雷針代わりにしたのよ。金属だし、いけると思って」


 なるほど避雷針か。

 流石メリーさんだ。

 これで雷攻撃はなんとかなる、後は、身体にまとわっている雷をなんとか出来れば……。


「……この盾なら雷防げる……かも……」


 そう言って花子さんはシロクマに乗り、盾を構えながら雷獣に向かっていった。


「花子さん、シロクマ、戻って!!」


 花子さんには池田を守っていて欲しかったのだ、それに花子さんにそんな危険な事は頼めない。

 それでも花子さんとシロクマは雷獣に向かっている。


「……シールド……アタック……」


 花子さんの盾が雷獣の身体に直撃した。

 

「グォ!!」


 雷獣の雷が消えた。


「……いま……シロクマお願い……」


「グォン」


 シロクマは雷獣を爪で引っ掻いた。

 その後、雷獣の身体を掴み地面に叩きつけた。


「グハァ!!」


 雷獣はかなりのダメージを受けているようだ。


「ハァハァハァ、分かった、我の負けだ」


 いきなり負けを認めた雷獣。


「そこの盾持ちの女よ、こっちに来い」


 雷獣は花子さんを呼んでいる。


「……なに?」


「お主にこれを授ける」


 雷獣は緑の布を差し出した。

 その緑の布、花子さんの持つ盾に被さり合体した。


「これで、その盾は品物之比礼の盾として浄化のかごを得たはずだ」


「品物之比礼?」


 聞いた事ない物だ。

 メリーさんも首をかしげている。


「品物之比礼は、十種神宝の1つだ」


 これが十種神宝なのか、花子さんの盾がその1つになったと言う事か。


「もう、ここには用がないはずだ、我らの自我が残っているうちに立ち去れ」


「自我が残っているうち?」


「この世界は我らの正気を奪うようだ。我ら神獣とて長くは持たないかも知れない……」


 また戦うのは困る。

 それに、世界を元に戻せば雷獣も助かるわけだし、俺達は先を急ぐ事にした。

 闘技場の階段を登ると森が広がっていた。


本作をお読みいただきありがとうございます。




よろしければブックマークと評価をお願い致します。




感想も宜しくお願い致します。




それでは引き続きお楽しみくださいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ