第79話 炎駒
俺達は上の階に上がってきた。
そこには、ただ広いだけの部屋が広がっていた。
「なにがダンジョンだよ、ただのなにもない部屋じゃないか」
かなり奥のほうには上の階に続く階段もあるように見える。
「ナニヤツダ」
炎をまとった馬みたいなやつが現れた。
「まっまさか、こいつは炎駒!!」
メリーさんが怯えている。
「炎駒?」
聞いた事ない名前だ。
「松本も麒麟って聞いた事あるわよね?」
麒麟と言えば神話クラスの伝説の生物だ。
「その麒麟が炎をまとったのが炎駒よ、まさか実際に見るとは思わなかったけど……」
「ハイジョ」
炎駒が突進してきた。
俺達はギリギリで回避した。
炎駒が通った場所は燃えている。
「問答無用かよ」
「どいて!!」
池田がマシンガンを構えた。
ドドドドドドドドドドドド
しかし、炎駒は全ての弾をかわしている。
炎駒のスピードにマシンガンが負けているのだ。
「そんな……」
炎が前方を塞いでいる。
「ソンナモノカ? マダイクゾ」
更に加速して突進してきた。
「……後ろに」
花子さんが盾を構えて立っている。
ズドォーン
炎駒が盾にぶつかった。
「くっ……」
俺達は花子さんの身体を後から支えた。
「コンナモノデ、ワラヲトメルカ?」
「動きを一瞬止められたらそれで良いの!!」
池田がマシンガンを乱射した。
「グォォォォ」
命中だ。
花子さんと池田の連携攻撃。
炎駒はよろけている。
流石に倒せはしなかったが、ダメージは与えられた。
ダメージを受けたからか、炎の鎧も
なくなっている。
「今だ!!」
俺の合図で一斉攻撃に出た。
「アッパースイング!!」
俺はバッドで炎駒を打ち上げた。
「来たわね!! メリーマシンガン!!」
メリーさんのトンファーが空中で決まる。
そのまま落下する炎駒。
「口裂斬!!」
さ〜ちゃんが落下する炎駒を切りつけた。
「がぅぅぅ」
落下した直後にシロクマが炎駒の上にのしかかった。
「グハァ」
シロクマの重みで潰された炎駒。
ゆっくりとそこから離れるシロクマ。
「クックックッ、マッマサカ、ワレヲタオストハ……キニイッタ」
何故が気に入られたらしい。
「ワレヲタオシタノダ、サキニススムガヨイ」
前方の炎もなくなり、階段に行けるようになっている。
「炎駒はどうするんだ?」
俺は気になっていた。
「ワレノコトハ、キニスルナ、イズレ……」
炎駒は気を失ってしまった。
気が付くのを待ちたいが、ここも安全とは言えない。
俺達は先に進む事にした。
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