第75話 走れ
周りにはガグやガスト、上空にはシャンタク鳥、逃げ場がないくらいに囲まれている。
「これはヤバすぎるな」
シャンタク鳥の群れには全滅寸前に追い込まれたし、おまけに、ガグやガストまでいる。
唯一活路があるとすれば、前方か……巨大なガグがいないから、殲滅出来ればなんとかなるか?
「……後ろに来て……ワタシが走るから……続いて……そして、行って……」
花子さんは自分を犠牲にして俺達を先に進めさせる気だ。
「ダメだ!! そんな事させられない」
「そうよ、花子さんは下がってない。ここは、ワタシが活路を切り開くわ」
「無理すんなだぜぇ、ここは任せな!!」
皆覚悟してるみたいだ。
でも、誰も死なせなくない。
「……ここは任せて!!」
池田が立ち上がり、マシンガンを連射しまくった。
「ぐおぉぉぉ」
「ぎゃぁぁぁ」
「ぐぎゃぁぁ」
マシンガンは効果抜群だった。
ニャルラトホテプから貰ったものだから納得と言えば納得だ。
前方の敵が殲滅された。
「今よ、走って!!」
池田はマシンガンを乱射しながら走り出した。
もうとっくに弾切れをおこしても良いはずなんだが……。
「松本!! 前見て!! それと弾切れを気にしてるなら心配しないで、何故か次から次に弾が出現してるから。この武器は弾切れはないみたいだから」
弾切れがないマシンガンって、最強だろう。
しかもこの威力で……。
前に持っていた拳銃よりも格段に強い。
「ばぁぁ」
目の前に急にガストが現れた。
「この!!」
俺はフルスイングをしてガストを吹き飛ばそうとしたが、びくともしない。
「気合い入れなさい!!」
メリーさんがトンファーで俺のバッドを叩いた。
2人分の打撃でガストは吹き飛んだ。
吹き飛んだのは間違いないが、少しだけだった。
その瞬間、さ〜ちゃんの日本刀でガストを真っ二つにした。
「さ〜ちゃん!!」
頼れる仲間達だ。
「このまま塔に!!」
「危ない!!」
遠くのガグが投擲をしてきたのだ。
その攻撃を花子さんが防いでくれた。
「……投擲は任せて……」
後方の敵は池田が、当然現れる前方の敵は俺とメリーさんとさ〜ちゃんが、飛んでくる物は花子さんが担当で塔に向かって走っていく。
「もう少しだ!!」
息も切らし、かなりつらい。
でも、もうすぐだ。
「行かせぬ!!」
目の前にガグが現れた。
さっきまでは人サイズの敵ばかりだったが、このサイズの敵は……。
ズドォーン
ガグの棍棒が地面を揺らす。
池田のマシンガンのおかけでガグ以外の敵はだいたい殲滅出来ているみたいだ。
つまり、こいつさえなんとかなれば逃げられる。
俺達は最後の力を振り絞り、ガグに立ち向かうしかないのだ。
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