第74話 土蜘蛛
街中怪物ばかりなのでなかなか先に進めない。
殲滅出来る戦力があるなら良いが、こっちの戦力だと戦うのは厳しい。
マシンガンがあったとしても。
「隠れて!!」
先頭のメリーさんが指示を出す。
俺達は建物の壁に立ち、なるべく身を小さくした。
横を通過したのはガグだった。
流石に巨人過ぎる為、俺達にはなかなか気が付かない。
「ふ〜、行ったか……」
危険しかない場所だ。
でも進むしかない。
「きゃぁぁぁぁ」
池田の悲鳴が聞こえた。
俺はすぐに振り返ると、そこには……。
糸でぐるぐる巻きにされた池田がいた。
(縛られた池田、ナンス!! ってバカか俺は、池田を助けないと)
こんな時でも煩悩が出るなんて、情けない俺だ。
糸の先を見ると、屋根の上に巨大な蜘蛛がいた。
池田を縛っているのは蜘蛛の糸だ。
「メリーさん、こいつは?」
頼れる歩く図書館メリーさんに聞いたら何でも分かるはずだ。
「こいつは調べるまでもないわ、こいつは土蜘蛛よ!!」
即答と言う事は怪異か。
土蜘蛛は、糸を辿って進んできている。
目的は餌を食べる事だろうと考えられるが、その餌は池田だ。
なんとかしないと。
「斬るぅぅ」
さ〜ちゃんが日本刀で斬りかかってみたが、糸が固く弾かれてしまった。
まさか日本刀まで弾かれるなんて……。
「うっ……、くっ苦しい」
池田の身体が土蜘蛛の方に引きづられている。
「待ってろ!! 今助ける!!」
もう猶予はない。
「さ〜ちゃん、もう一度糸の先を斬って!! 松本はその後押し込んてま!!」
なるほど、その手があったか。
さ〜ちゃんは、再び斬りかかった。
だが、やはり斬れない。
「まだだぁぁ」
さ〜ちゃんの攻撃が当たった所を狙って、俺はフルスイングした。
日本刀を目掛けてフルスイングしたので、日本刀の刃が糸に食い込む。
しかし、まだ斬れない。
「まだよ、メリーストライク!!」
いつの間にかメリーさんがやってきていた。
トンファーでバットを叩いた。
ブチ
鈍い音と共に糸が斬れた。
池田は無事に助けられた。
後は、土蜘蛛を倒すだけだ。
「斬るぅぅ」
さ〜ちゃんは突撃をしかけた。
しかし、土蜘蛛は蜘蛛の糸を吐き出し応戦。
流石に糸を食らったら動けなくなるので、必死によけるさ〜ちゃん。
メリーさんは、後から近づき、背中にトンファーラッシュを浴びせた。
「ぐぁぁ」
弱点は背中みたいだ。
しかし、巨大な蜘蛛の為、メリーさんのトンファーだけでは力不足みたいだ。
俺も行かないと……、俺は助けた池田を花子さんに任せて、さ〜ちゃんとメリーさんの援護に向かった。
俺はシロクマの背中に乗せてもらい、メリーのいる土蜘蛛の背中に回った。
そしてそのまま、メリーさん、俺、シロクマで攻撃を仕掛けた。
「ぐぎゃぁぁぁ」
土蜘蛛の背中が破壊された。
手応えあり。
そのまま土蜘蛛は倒れ込み、動かなかった。
勝利だ!!
「ぐるぁぁ」
「侵入者あり」
なんたか土蜘蛛に勝てたが、その戦闘音で、ガグやガスト達に気が付かれてしまったみたいだ。
いつの間にか囲まれていた……。
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