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第73話 ニャルラトホテプ

 お婆さんに助けられ、休める場所に入った俺達。


「さて、お茶でも入れるか……」


 そう言って、台所に立ったお婆さん。


「良いお婆さんに会えてよかったわね」


 皆は油断しきっている。

 しかし、こんな場所にいるお婆さんが普通のはずがない。

 もしかしたら、前に戦ったババア連合軍の生き残りかもしれない。

 つまり怪異だ。


「お婆さんは何故ここに?」


 俺は質問して様子を探る事にした。


「あやまって地下都市に来る子を保護しとるんじゃ」


 保護?

 なら他にも人がいるのか?


「他の人もいるんですか?」


「他の人かぇ? 今はいないのぉ」


 このお婆さん、何がおかしいような気がする。


「何処にいるんですか?」


「地上にでたよ」


「地上?」


「地上じゃの、この先に見える塔から地上に登ったのじゃよ」


 お婆さんに対する違和感に気付いた。

 このお婆さんは、喋り方がコロコロ変わるんだ。

 こんなに変わるということは、お婆さんが正体ではない気がする。


 俺は近くにあったバットを握りしめた。


「そのバットでなにするのか?」


 お婆さんはゆっくりと俺に近付いてきた。


「もう一度聞きます、あなたは何者ですか?」


「プープププ、プププ、パンパカパーン、良く見抜きました〜。ある時は優しそうなお婆さん、そしてある時は、駄菓子屋の店主、しかしその正体は、ニャルラトホテプでした〜!!」


 目の前のお婆さんが一瞬で、前にあった駄菓子屋の若い女の人になった。


「え!!」

「何?」


 皆が混乱している。

 無理もない、俺だって予想以上の展開なんだから。


「なになに〜、私が可愛いから惚れちゃったのかな〜? でもでも〜、そっちの彼女に悪いっすよ〜。 な〜んて、言ったりもしたりして〜」


 さ〜ちゃんよりもテンションが高い。

 いや、高すぎる。


「でっ、なんで分かったのかな〜? 私の可愛いオーラが隠せてなかったかな〜、まぁ無理もないよね〜、こんなに可愛いだから〜」


 確かに容姿は可愛いと思う。

 明るいし、身長は160半ばくらいだろうか?

 胸もあって、スタイル抜群ってやつだ。

 しかし、俺の心はもう決まっている、池田がいればそれで良い。


「あれあれ〜、私よりそっちの娘を取るんだ〜、私ふられちゃった〜」


 俺は池田の顔を見てから、ニャルラトホテプに向き合った。


「ニャルラトホテプさん、俺達は、この世界を元に戻して、俺達の世界に2人で戻りたいんだ。協力してくれないか?」


 俺は駆け引き無しで言った。


「言うね〜、私に協力を申し出るかぁ〜、でもでも残念〜、今はまだ無理なのです〜」

 

(今は?)


「その時が来るまでお待ち下さ〜い、でもでも、せっかくなのでプレゼント〜!!」


「なにくれるのかしら?」


 今まで唖然としてたメリーさんがプレゼントと聞いて横から出てきた。


「おっ、よくぞ聞いてくれました〜、それ〜、これだ〜!!」


 出できたのは、マシンガンだった。


「これは、そこの彼女にあげちゃう〜、だって拳銃ないんでしょ〜!!」


 ニャルラトホテプはすべてを知ってるのか?


「さてさて〜、今回はここまでかな〜? あっ、ここでニャルラトホテプさんからのヒントあげちゃう〜。他の子にプレゼントがないのは可哀想だからね〜、ヒントとは〜、古の道具を集めようでした〜」

 

「古の道具? 三種の神器の事か?」


「ヒントはヒントなのです〜。ではでは〜、今回のお相手もニャルラトホテプでした〜」


 次の瞬間、ニャルラトホテプは煙になって消えてしまった。


「なんだったんだろうね?」


「まるで嵐だぜぇ〜」


 嵐はいい表現かもしれない。


「でも、武器も貰ったしヒントも貰った。一歩前進かな?」


 ニャルラトホテプが残したヒント、古の道具がなんなのかは分からない。

 でも、集めないといけない気がしていた。

 

「よし、まずは情報が欲しい、だから、慎重に進んで塔に行こう。あそこなら何か分かるかも知れない」


 俺達は、家を出て塔に向かった。


 

本作をお読みいただきありがとうございます。




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感想も宜しくお願い致します。




それでは引き続きお楽しみくださいませ。

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