第61話 謎男の説明
「なんすか?」
「いや、なんで助けてくれた?」
俺は警戒を強めた。
こんな所にいる男なんて信用できない。
「困っている人がいたら助けるのは普通っすよね?」
まともな事を言ってる。
「失礼だよ。せっかく助けてくれたんだから」
「あんた、怪異でも人間でもないわね?」
メリーさんが睨みつけている。
「あ〜、そんな事は気にしないようにっす。自分の事より状況説明するっすよ」
男は話し出した。
男の話によると、この場所は怪異世界とドリームランドが混ざった世界らしい。
だから、怪異とクトゥルフの化物がウヨウヨいると言う。
実際、食屍鬼等がいっぱいいる。
何故が襲って来ないけど。
更にどいつも凶暴化しているらしく、知ってる怪異でも注意が必要だと言う。
「それと、ここからは最重要、君達が元の世界に戻るにはどうしたら良いのか?っすね」
「なんでその事を知ってるんだ?」
「まぁまぁ、そんなのどうでもいい事っすよ。それでその方法なんすけど、この世界を元のドリームランドと怪異の世界に分ける事っす。つまり、世界を正常にすれば良いっす」
「世界を元に戻す?」
「そうっす。それには、棺の開放を6ヶ所すれば良いっす」
棺の開放?
棺って言えば黒い靄が出るあれか?
でも、その事をこいつに話して良いのか?
「2つなら見つけました」
池田が話してしまった。
「そうっすね。君達は2つ開放しているのは知ってっす。だから後4つ開放しないといけないんっす」
「他の場所は?」
「あ〜、それはごめんなさいっす。知らないんっすよ」
肝心なところが聞けないが、あの黒い靄を開放して良いのか?
「今の状況とこれからやる事が分かって良かったじゃん松本!!」
池田が俺の背中をかるく叩いた。
こいつは俺が告白した事忘れたのか?
さっきまで照れくさそうにしてたのに……。
「まぁ、そう言う事だから頑張るっす」
そう言って男は去っていった。
一体何だったんだ?
「えっと、とりあえずこれから先はさっきみたいな棺を探す旅になるみたいだな」
「みたいね」
「だけどよぉ〜、何処に行けば良いんだぁぁ?」
確かに宛もないのに探すのは無理だ。
「ねぇ、あっちにいかない? あの山に」
池田が遠くに見える山を指差した。
宛もないし、池田の感は頼りになるから俺達は賛成した。
かなり遠そうだが歩き出した。
「くきゃくきゃくきゃきゃ」
少し歩くと目の前に不気味に笑う少女が現れた。
「鞠じゃない?」
メリーさんの知り合いなら怪異だ。
鞠は返事をせず、爪を尖らせて近づいていたメリーさんを引っ掻いたのだった。
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