第57話 図書館探索
なんとか食屍鬼達を凍りつかせて一段落の俺達。
疲れてはいるが、目的の本を回収しなくてはならない。
「本の回収くらいワタシがいってあげる」
そう言って、メリーさんは怪異図書館の中に入っていた。
「ねぇ、さ〜ちゃん」
「……なに?」
武器を手放しているのでテンションが低い。
感情の落差が激しいのにも慣れた。
「この図書館と前の図書館って違うんだよね?」
池田はなに当たり前の事を聞いているのだ?
「……もちろん違う」
当然だ。
中の構造も前の図書館とは全然違う。
「だよね。でっ、前の図書館はゲームの世界、つまり私達の世界の図書館そっくりなんだよね?」
「……そうなる」
「でも、あの変な部屋はあった。あんな部屋は私達の世界にはないはず、だからこの図書館にもそんな部屋があるんじゃないかな?」
そんな馬鹿な話はないだろう。
「あら、その仮説は面白いわね」
いつの間にか、本を持ってメリーさんが帰ってきていた。
「確かに、前の大図書館にあった部屋みたいなのがここにあってもおかしくないわね」
「だよね」
池田とメリーさんは話しが通じている。
「……探してみ……る?」
さ〜ちゃんまで探す気なのか。
まぁ、池田が探しに行くのなら俺も行かないって選択肢はない。
「なら、俺も行くよ」
俺達は怪異図書館の中を調べる事にした。
あの時と同じなら下に降りる階段が隠されてるはずだ、
「でも今回は三種の神器はないんだぜ。しらみつぶしに探すにしても広すぎる」
広すぎて探す気力が起きなかった。
「なんとなくなんだけど、あの食屍鬼が最初に出てきた部屋が怪しい気がするの」
俺達は、池田は直感を信じて最初の部屋に向かった。
戦闘の後だからか、部屋がかなり散らかっている。
「この部屋にあるのか?」
「あるとしたらこの部屋な気がするの」
そもそもそんな部屋が本当にあるのか?
あの大図書館だけじゃないのか?
正直、池田の直感を信じたい気持ちもあるが、そんな部屋はないって思う気持ちもあった。
「とにかく、探してみましょ」
メリーさんはトンファーで床を叩いている。
「何してるの?」
「音の変化を聴いてるの、空洞があれば音の変化があるはずだから」
見つかるはずがない。
そんな部屋ないのだから……。
「……見つからない」
「……やっぱりないのかな?」
池田の顔が少し暗かった。
トントントン、カン
「ここ!!」
メリーさんが突然大声を上げた。
「何がここなの?」
メリーさんはいきなりトンファーで床を壊していった。
するとそこには、地下への階段があった。
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