第50話 目覚め
2章開始しました。
また宜しくお願い致します。
「……ん……んん……」
(身体が重い、ここは何処だ?)
「あら? 起きた?」
俺はゆっくりと目を開けた。
そこは、見た事がある天井だった。
「……ここは……」
「保健室よ、あなた達は視聴覚室に倒れてたのよ」
(視聴覚室? 俺達?)
横を見ると池田が横のベットで寝ていた。
「一体何があったの?」
「……思い出せません……なんで視聴覚室に倒れてたんでしょうか?」
「それは私が聞きたいわよ。あっ、池田さんも目が覚めそうよ」
池田の目が開いた。
起きたようだ。
「あれ? ここは?」
「おはよう。ここは保健室よ」
「えっ? 保健室? あれ? 松本もいる……何かあったんです?」
池田も何も覚えてないようだ。
「あら、2人共何も覚えてないのね。何があったか分からないけど、起きたならとりあえず帰りなさい。そして明日にでも病院に行ってみて、一時的な記憶の混乱だと思うけど一応ね」
俺達は了解した。
「あっ、ちゃんと池田さんを送って行くのよ」
先生の言いつけなら仕方ない。
まぁ、正直ラッキーなんだが。
そのまま保健室を後にした。
外に出ると夕焼け空になっていた。
「なぁ、何があったんだろうな?」
俺は池田に尋ねた。
「ん〜、何かしてたのかな、私達?」
2人して何も思い出せなかった。
でも、何かあったような気がしていた。
「……上手く言えないけど、何か大切な事を忘れてる気がするの……」
池田も同じ気持ちみたいだ。
「俺もそんな気がするけど、思い出せない」
「とりあえず明日病院行ってみよう。一緒に行く?」
池田からのお誘いを断るわけがない。
「もちろんオッケーだ」
「なら、明日の朝に聖カナタ病院前に集合でって事で!!」
池田はクルッと回って笑顔を見せた。
(かっ可愛い!!)
俺は見惚れていた。
「ん? どうした?」
「え? あ……いや、なんでもない……明日の朝だな、分かった」
俺達は明日の約束をして、俺は池田を家まで送り、自分の家の帰路に着いた。
次の日、病院で検査を受けた俺達。
検査結果は2人共異常なしだった。
記憶欠損の件は何も分からなかったが……。
「何も分からなかったな」
「まぁ、そのうち思い出すよね」
池田は楽観的だった。
でも確かにそうだ。
大切な事のような気がするから思い出すはずだ。
その日は病院だけで1日が過ぎてしまい2人の時間って感じはしなかった。
「さて、病院も終わったし何か食べていくか?」
朝から1日がかりだったのでもう夕方だが、このまま帰るのは勿体ない。
正直デートしたい。
「ん? ならファーストフードでも寄ってく? 松本のおごりで」
「うっ……分かった……」
「なら行……」
バタ
突然池田が倒れた。
「おい!! 池田!! おいったら!!」
息はしている。
これは……寝ている……のか……?
とにかく先生を呼ばないと。
「あ……れ……? 俺も……」
急に睡魔が襲ってきた。
「先……生を……呼ば……」
バタ
俺も倒れ、そのまま眠ってしまった……。
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