第45話 大天狗(後編)
「くっくっく、お前達良くも我が百鬼夜行を潰してくれたな。今度はお前達が潰れる番だ!!」
大天狗から黒いオーラが出てきた。
「私達は全員ボロボロです。このままでは全滅します」
かんかんは的確に分析していた。
(全員ボロボロ? 違う、俺は動ける。しかしなんだ? 力が溢れてくる……)
俺は大天狗に向かって歩き出した。
「なんだ小僧は? 先に死にたいのか? ならば望み通りにしてくれるわ!!」
大天狗は持っていた団扇でかまいたちのような現象を引き起こし、俺を切り刻もうとした。
「そんなものか?」
だが、今の俺にはそよ風にしか感じない。
今なら勝てる!!
「ばっ、バカな!!」
俺は右拳に力を入れ大天狗を殴りつけた。
「ぐぁぁぁ!!」
大天狗は吹っ飛んでいき、見えなくなった。
「…………えっ?」
皆が呆然としていた。
まぁ、無理もない。
いきなりこんなにパワーアップしたのだから。
「……よく分からないけど、さっきのトンカラトンとの戦いで俺は火を付けられて斬り裂かれたはずなんだ。だからあの血は俺の血のはず……。そして、この超パワー、復活したのが原因なのか分からないけど帰る手助けになる。さぁ、後はヤマタノオロチと九尾の狐だ
!! 早くさ〜ちゃんを助けよう」
原因不明な事は後回しにし、気持ちを切り替えた。
ヤマタノオロチの方を見ると、さ〜ちゃんがボロボロになりながら戦っていた。
いくらさ〜ちゃんが天叢雲剣を持っていても大苦戦していた。
「よし、ラストスパートだ!! 行くぞ!!」
俺は気合を入れた。
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