第34話 ババア連合軍2
「って、よくよく考えたらなんで紫ババアがいるの? 確か日の当たらない所に封印したはずなのに」
ババア連合軍に気を取られて忘れていた。
「紫ババアは複数人いるのよ。だって、紫の鏡があればそれが1人なんだから」
そんな話しは初耳だ。
それだとどのくらいの数の紫ババアがいるのだろうか?
とにかく、目の前の紫ババアを倒す事が先決だ。
あの時は八咫鏡で紫鏡に封じたんだけど、今回は紫ババアのみで鏡が見当たらない。
しかし、探している余裕もない。
前回の紫ババアより強いし、他のババア達も集まってくるはずだからだ。
「硫酸攻撃以外にも呪札とか言う技を使うみたいだが、儂らには効かぬぞ。ひぃひぃひぃ」
「効かないかは、これで分かります。呪光」
札が飛んでいき紫ババアに貼り付いた。
そして、強烈な光を放った。
前の呪光とは違う効果だった。
「他の札を配置する暇がなかったのですが、光の札です。流石にダメージが
あるはずです」
光が収まっていく。
「うぁ!!」
目が慣れてくる前に何かに吹き飛ばされた。
「ひぃひぃひぃ、そんな物効かぬと言ったはずじゃ」
「おい紫の、こいつらか侵入者は?」
「おお、ヨジバ!!」
「またせたの」
「来たか足売り」
「ワシの眠りを妨げるのは誰じ」
「おお、3時バ」
それぞれあだ名があるのか……、ってそんな事考えてる場合じゃない、全員集合してしまった。
「退いて!! 勿体ないけど、えぃ!!」
ズドォーン、ズドォーン、ズドォーン、ズドォーン
池田が銃弾を放った。
弾は見事命中し、全員冷凍状態になった。
「氷結の銃弾を使ったのか……」
ピキピキ ピキピキ
氷が砕かれる音がする。
「まさか、さ〜ちゃん!!」
声と共にさ〜ちゃんが飛び出した。
さ〜ちゃんの天叢雲剣が氷っているババア達に斬りかかる。
パリーン
しかし、当たる直前で氷が溶けてしまった。
さ〜ちゃんの斬撃はヨジババの片手で止められた。
あの斬撃を片手で止めるなんて。
そのままさ〜ちゃんは、壁に吹き飛ばされた。
今まで敵より遥かに強い。
「我らババア連合軍に敵なしじゃ、ひぃひぃひぃ」
「「「ひぃひぃひぃ」」」
どうすれば良いんだ?
このままだと負ける。
「かんかん、ちょっと。松本、メリーさん、さ〜ちゃんは、足止めしといて。私に考えがあるの」
池田が動き出した。
かんかんと池田コンビならきっと勝てる。
ならやる事は1つだ。
こいつらババア連合軍の足止めをする。
3人とも飛び道具を持たない接近戦タイプなので厳しいが闇雲に戦えば少しは時間稼ぎになるはずだ。
「メリーさん、さ〜ちゃん、行くぞ!!」
「ええ!!」
「付いてこいだぜぇ!!斬る〜」
俺達突撃した。
しかし、俺達の斬撃も打撃も一切効果がなかった。
一瞬で3人とも吹き飛ばされてしまった。
足止めすら出来ないのか……。
ババア連合軍は池田とかんかんの方に向かっていく。
「ヤバい、逃げろ、逃げろ池田田〜!!」
ババア連合軍は4人同時攻撃を仕掛けるようだ、一斉に飛び上がり池田とかんかんを襲った。
「狙い通り、スタート」
ピィ
キュイーン、ゴォォォ
なんの音だ?
池田は手に何か持っている。
それは、何処の家庭でもある掃除機だった。
まさか、吸い込もうって気じゃないよな?
「これでババア達を吸い込んでやる」
マジか!!
そんなんで倒せるはずないだろ。
「ぐぉぉ」
「うぁぁ」
「くぅぅ」
「きぃぃ」
……思ったより効いている。
「これは、かんかんの札で吸引力を最大まで高めた掃除機よ。更に吸収した後は封印出来るようになってるの。弱点はコンセントがないと使えない事だけど、今は、え〜い、ターボモードオン!!」
見る見るババア達が掃除機に吸い取られていく。
まさか、掃除機に敗れる怪異なんて……。
現代の掃除機は怪異も吸い取れますって言うのか……。
正直、笑うしかなかった。
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