第27話 ゾンビ看護師と注射男1
花子さんのトイレワープで大病院に辿り着いた。
花子さんは、トイレに着くと何処かに消えてしまった。
ここでの目的は薬品等の確保だ。
確保なのだが、明かりが所々しかついてない為、かなり薄暗い。
気味が悪い。
「硫酸とかいろいろな薬品が手に入ると思うけど、何処にあるんだろう?」
病院には診察とかでしか来ないから何処に何があるのかが分からなかった。
「メリーさん、分かる?」
困った時のメリーさんだ。
「薬品は電話に出ないから分からないわよ」
……おっしゃる通りで……。
とりあえず、全部の部屋を探すしかないみたいだ。
キィー、キィー
廊下の向こうから奇妙な音が聞こえてきた。
音のする方を見ると、どうやら看護師が医療具を運ぶ台を押しているようだ。
こんな病院に看護師?
見つかると面倒そうだ。
俺達はやり過ごす事にした。
その時、自動販売機の光に照らされ看護師の顔が見れた。
なんと醜く歪んだゾンビだった。
「きゃぁぁ!!」
池田が驚いて悲鳴を上げてしまった。
キィー、キィー
気が付かれてしまったらしく、ゾンビ看護師がこちらに向かってくる。
「気付かれた!! とりあえず一旦逃げよう。戦うにも暗すぎる」
俺達は逃げる事にした。
「ゾンビ看護師はトイレに奥のトイレに隠れた者を順番にドアを開けて、最後に残ったドアの前にいて、開けようとした瞬間に倒されるのが有名な話ですね」
走りながらゾンビ看護師の説明をしてくれた、かんかん。
「なら、トイレはダメだ。そこの部屋に入れ!!」
俺達は近くの部屋に入り、ドアを閉め近くにあった机等でドアを塞いだ。
ここは、診察室のようだ。
机の上のライトが点灯してる為、さっきよりは明るい。
ガタ。
診察室の奥から音がした。
ゾンビ看護師か?
奥から男の人影が見えた。
ゾンビ看護師ではないようだ。
俺達は警戒をしながら、武器を構えた。
「こっ、この人は……注射男!! 気を付けてください。注射男の注射は毒薬です!!」
かんかんが焦っている。
注射男は白衣を身に着け、巨大な注射器を持っていた。
「斬る〜!!」
さ〜ちゃんが斬りかかる。
しかし、巨大な注射器で防がれてしまった。
しかも、その巨大な注射器を片手で振り回していた。
メリーさんも空中を浮遊しながら、ハンマーで攻撃を仕掛けようとしているが、もう片方の手にメスを持っている為に攻撃が出来ないでいる。
もちろんカウンター狙いの池田も何も出来ない。
ここは……かんかんの出番だ。
「はい。呪札・呪重」
札は巨大な注射器に貼り付いた。
注射男が巨大な注射器を落とした。
「呪重は、物の重さを重くする呪札です」
持ち切れなくなったのか。
「斬る〜」
さ〜ちゃんの天叢雲剣が注射男を斬った。
しかし、ギリギリで注射男にかわされ、少し斬れた程度だった。
ドカーン!!
後ろのドアが破壊された、
「しまった!!」
注射男に気を取られて、ゾンビ看護師の存在を忘れていた。
これで敵は2体になってしまった。
ゾンビ看護師の医療具用の台の上には、沢山の凶器になりそうな物がいっぱいあった。
これらが注射男の手に渡ったら危険だ。
「さ〜ちゃん、かんかんは注射男を頼む。俺と池田とメリーさんはゾンビ看護師をなんとかする」
さてどう戦うか……。
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