第25話 キサラギ神社その2
キサラギ神社主殿に辿り着いた俺達。
主殿だけあってかなり立派な造りだ。
入口には、赤い朱門があり、その先には狛犬の像が2体あり、いかにもな雰囲気が漂っていた。
「さっ、こちらです」
かんかんに案内されて主殿の中に入って行く。
主殿の中の広間に案内された俺達、これから何をするのだろうか?
「さて呪札なのですが、これから作成するのですが、1日は必要ですのでゆっくりと寛いでください。食事は奥の間に準備させます」
準備させます?
誰かいるのか?
「かんかん、誰かいるの?」
「紹介してませんでしたね」
かんかんは手を叩いた。
すると、奥の間から猿が出てきた。
「……猿?」
「こちらは、この主殿の管理等をしている猿猿です」
猿猿って……。
「……えっと、宜しく」
「キィ」
完全に猿だ。
大丈夫なのか?
「猿猿食事の用意を、皆様は準備の間に温泉でも如何ですか? あちらの通路が温泉に繋がっています」
温泉!!
これが楽しみで頑張ったんだった。
「この主殿は安全なのですが、念の為皆さん一緒にお願いします」
皆さん一緒にって事は、混浴!!
願ってもない事だ!!
「皆一緒なんて、こっ困ります」
池田が反論する。
まぁ普通はそうなのよな。
「大丈夫ですよ…………」
かんかんが池田に耳打ちしている。
何を話しているんだろう。
「えっ、それなら……まぁ……」
何なんだ?
「猿猿、松本さんあれを」
猿猿は、短パンを持ってきた。
よく見ると水着だった。
……あ、水着着用って事か……少し残念だ。
「松本、あんたはあっちで着替えなさい!! 後、良いって言うまで入ってきたら許さないわよ!!」
池田が睨みつけてくる。
正直怖くない。
てか、可愛い。
「わっ分かってるって」
俺は広間を後にした。
どのくらいの時間がたったんだろうか?
時間にして10分も立っていないと思うが、早く池田の水着姿が見たいからか、長く感じる。
「松本、良いわよ」
奥から池田の声がする。
俺は急いで温泉に向かった。
温泉入ると最初に目にしたのは、水着姿のさ〜ちゃん、メリーさんだ。
さ〜ちゃんは、口裂け女だけど、プロモーションは抜群でビキニ姿だった。
顔を見なければ完璧なんだけど。
メリーさんはスクール水着だ。
まぁメリーさんは仕方ない。
でっ、メインの池田は何処だ?
俺は池田を探していた。
「なにしてんのよ」
奥から池田の声が。
声の方を見ると、ビキニ姿の池田がいた。
胸が今一歩だけど、可愛すぎる。
「あっ、えっと、似合ってるな」
「うっうるさい、ジロジロ見るの禁止。とにかくゆっくりしよ」
俺達は温泉を堪能している。
「ここの温泉って、怪我の感知や疲労回復、美容効果もある不思議な温泉なんだって」
かんかんに聞いたのか、メリーさんが説明してくれた。
暫く温泉で癒やされる事にした。
「さて、先に上がるから松本は後で来なさい」
女性陣が温泉から出ていく。
流石に覗いたら池田に嫌われる。
覗きたいが我慢だ。
その後、温泉を出た俺達を待っていたのは、豪華な食事だった。
料亭に出てくるような豪華料理だった。
「これ食べていいの?」
「キィ」
猿猿が返事をした。
料理を堪能し、その後、猿猿の用意してくれた布団に横になった。
布団に横になった俺は、かんかんの姿をさっきから見てない事に気が付いた。
温泉やら豪華料理に気を取られ、気にしてなかった。
「かんかんはどうしたんだろう?」
「かんかんなら、温泉とは反対側の部屋にいるわよ。呪札を作ってるみたいね」
メリーさんはなんでそんな事が分かるんだろう?
「今、何でって思ったでしょ。それは、電話したからでした」
電話したんなら分かるか。
って、いつの間に電話したんだ、メリーさん恐るべし。
「かんかんは、気にしないでゆっくり休みなさいだって」
「それならお言葉に甘えて寝ようか」
俺達布団で眠りにつく事にした。
ここで完璧に疲れを取り、かんかんの呪札が完成して、かんかんの戦力アップ。
そして、俺達の武器も更に強くなる。
この後、病院で薬品を大量に手に入れたらどんな敵だって大丈夫なはずだ。
九尾の狐は強い。
いくら準備しても足りないくらいだ。
出来る限り装備を整えて、池田と元の世界に戻るんだ。
俺はそう思いながら眠りについた……。
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