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第24話 キサラギ神社その1

 キサラギ駅の神社のトイレにワープした俺達、ここでの目的はかんかんの呪札の作成だ。


 「とりあえず、主殿の方に行きましょう」


 かんかんに案内されるまま主殿に向かった。

 

「あれ? ここじゃないの?」


 そこは、天叢雲剣があった場所だった。

 

「そこは、神社の入口です。主殿はもっと奥にあります」


 主殿でない場所に伝説級の武器があったのか……。

 

「主殿はこの裏手の山を登った所にあります」


 かんかんが指差した方を見ると、かなり高い山がそびえ立っていた。

 

「えっと、この山登るの?」


「はい、主殿付近にある材料が必要なのです」


 上を見上げるが、主殿らしき物は見えない。

 どれだけ高い場所にあるんだ?


「かんかん、どのくらいかかるの?」


「普通に歩けば1時間もあれば到着すると思います」


 この山道を1時間も歩くのか。

 富士山ですら、7合目でリタイアしたくらいなのに。

 因みに、富士山は友人と登ったのだが、その友人は8合目でリタイアしていた。

 しかも、流石はキサラギ駅と言った所か、草木が生い茂っていて歩くのが大変そうだ。


「その鎌で草刈りしながら歩けば楽が出来ますよ」


 楽が出来るって、草刈りしてる俺は楽どころか地獄の作業なんだが……。


「他に登る方法ないの?」


 このまま登れば間違いなく1時間以上かかる。


「後は、あそこにリフトがありますが、故障していて動きません」


 天叢雲剣が置いてあった建物の更に奥にリフト乗り場があった。


「かんかん、それを直した方が絶対に早いよ。よし直そうすぐ直そう」


 俺はリフトの操作室に入った。

 中はボロボロでとても修理出来る状態ではなかった。


「これはダメか……」


「松本、頑張れ!!」


 池田が笑顔で応援してくれた。

 嬉しいが草刈りはキツすぎる。

 なにか他に手はないだろうか?


「そうだ!! 花子さん、主殿までワープ宜しく」


 花子さんのトイレワープがあったんだ。

 これで一瞬で主殿に行ける。

 だが、花子さんは首を横に振る。


「えっ? なんで?」


 俺は花子さんに理由を尋ねた。


「連続してワープは使えないの。1日1回だけなの。それと主殿にはワープできないの。結界みたいなので覆われてるの」


 結界ってそんな……。

 頼みの綱の花子さんもダメだった。


「男らしく諦めて鎌で草刈りね」


「草刈りだぁ!!」


「ファイト」


「宜しくお願い致します」


 女性陣全員からの応援がとんだ。


「あ〜分かったよ、分かりました。やれば良いんでしょ」


 俺は諦めて草刈りを始めた。

 邪魔な草を刈り、枝を退け通路を確保していく。

 

「って、そういえば!!」


 俺はとある物思い出した。


「かんかん、バックに除草剤が入ってるよね?」


 何かの役に立つかもと1本だけ除草剤を入れていたんだった。

 薬品関係は、学校でかなりお世話になったからだ。


「ありますけど、効果が出るまでは待てませんよ。最低でも1週間以上かかりますから」


 普通ならそうだけど、俺達にはかんかんがいる。


「かんかん、その除草剤を呪札で強化したらどうかな?」


 そう、効果が弱いとは言え呪札は呪札だ。

 呪札の効果で除草剤を強化したら、こんな草なんてすぐに無くなってしまうんじゃないか?


「……気が付きませんでした」


「「「あっ、そうか」」」


 女性陣の3人がハモった。

 とにかく強化して貰う事にした。

 俺の予想通りならこれで草刈りより楽に主殿に行けるはずだ。


「さっ、撒くぞ」


 俺は除草剤を少しだけ撒いた。

 すると予想通りみるみる草が無くなって言った。

 たった少しでかなりの効き目だ。

 俺達は除草剤を撒きながら主殿を目指した。

 しかし、除草剤でこの威力。

 もし、学校で使っていた硫酸に使ったらどんな威力になるんだろう?

 三種の神器が揃ったら、九尾の狐との再戦が待っている為、使える物は持っておきたい。

 ここから出たら何処かの病院で硫酸等の薬品を手に入れておきたい所だ。

 まずは、かんかんの呪札を完璧にする事が大事だけど。


 除草剤を撒きながら歩き1時間が経った。


「かんかん、もう1時間経ったと思うけどまだ?」


「あれです」


 かんかんの指差した先には石の階段があり、その上に門があった。


「あそここそ、キサラギ神社の主殿の入口です。さっ、もう少しです、主殿に付けば食事も出せますし、疲労回復にぴったりの温泉もありますよ」

 

 温泉だと!!

 温泉と聞いて元気が出てきた。

 決してやましい事を考えた訳では無い。

 最後の階段を全力で登った。

 

 辿り着いた先には、立派な屋敷が立っていた。


「ここが主殿……」


「ようこそ、キサラギ神社主殿に」


本作をお読みいただきありがとうございます。




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感想も宜しくお願い致します。




それでは引き続きお楽しみくださいませ。

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