おまけの8
本日2話投稿しています。
7を先に読んでから、こちらをお願いします。
「ようやく落ち着いたな」
「あぁ、まだ足りない気もするが、反省したようだしな」
「お前、どさくさに紛れて婚姻届を出しただろう。同意は得たのか?」
「当たり前だろう」
「どうせ、出さなければ家から出ることは許さないだの、ユーシェに会うことも叶わないだの、脅したんだろう」
「お前に言われたくないな。同じことをユーシェ様に言ったんだろ?」
「俺達はもうとっくに婚姻済みだ」
「結婚式はまだ先だろうが」
「もう1月もない。それに、夫婦であることに変わりはない」
「はいはい、正式な手続きを強引にさせられたのは俺ですからね」
「元々後宮入りしたら婚姻成立などと言うくだらん法律を、寝所で朝まで過ごしたらに変える様にしたのはお前だろう」
「お前の命令で法律変えたんだろ」
「当然だ。あんな間抜けな法律に従ってたまるか。とにかく、俺は自分の妃を諌めただけだ。問題ない」
「はーーー!お前の考えが自分のことの様に分かるから何も言えん!」
執務室で、たまった書類を捌きながら、俺とディルは軽口を叩きあう。約1週間ぶりに登城したディルは、当然の様にユーシェの元侍女を抱き抱え、ユーシェの部屋に放り込んでから此処に来た。
この顔の作りがほぼ同じこいつの思想は、手に取るようにわかってしまう。同じ様な思考になるように育てられたわけではないはずなのに、一体どうしてこうなったというのか。多くを語らずとも分かり合えるのは、仕事においても、プライベートにおいても楽だからいいのだが。
「とりあえず、アレク達の式の1月くらい後には俺たちも式を挙げる予定だ」
「早すぎやしないか」
「おかしなことを考える暇もないくらい忙しくしてやるくらいがちょうどいい。城にいれば家よりも目が届くから、逃げられる危険もない」
「あぁ、それもそうだな」
俺たちが気付かないわけがないが、あの2人で勝手に結論を出されて行動に移されるのは許せない。いくらでも謀をしていいとは言ったが、逃亡だけは間違いだとしても許し難いと、よくわかった出来事だった。
もう、俺もディルも、目の届かないところにあの2人を置いておくつもりはない。護衛という名の監視は、これでもかというほど配置してある。外からも、中からも守りは固めた。
「さぁ、さっさと片付けるか」
歪んだ笑みを送りあい、また書類へを目を落とした。この1週間のツケは、さっさと払ってしまいたい。
「陰謀など、幾ら出てこようとも即座に叩き潰してやる」
これにて、本当に完結です。
みなさま、ありがとうございました。




