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ばかばっかり!  作者: 弥塚泉
2014年、再びうろな町役場企画課
42/42

12/22 これからもよろしく

 うろな町役場企画課。

 ここのところ企画に追われて普段よりは忙しくしていたように見えた企画課だったが、今日行われた忘年会ではしっかり宴会芸など用意していくあたり、今年も大して変わらない二人だった。

「うー、寒いなあ」

「佐々木君のボケが寒いのは今さらやろ」

 駅までの帰り道、企画課の二人は人気の少なくなった夜道を歩いていた。

「なんで急に自虐せなあかんの。香我見クンは相変わらずやね」

 ふう、と吐き出した息が白く流れていく。

「人少ななったな」

「こんな時間に出歩いてるんは不良かろくでなしか、酔っ払いくらいやろうな」

 香我見はそう言ってマフラーを口元まで引き上げた。暑がりの彼も今年は十一月から暖房をつけていて、年とともに寒さに弱くなっているようだ。

「……なあ、ボクらがおらんようなったら、どうなるやろ」

「どうもなれへんわ。いつかは俺らも引っ越すやろうし」

「うーわ冷た。ボクなんかはしょっちゅう思い出すのに。ケイドロの時のビデオとか剣道大会の写真とか、香我見クンにも貸したろか?」

「それ、合法のやつ?」

「本人たちに許可取ったやつ!」

 いつか来る別れを嘆くのではなく、今をとことん楽しむことが大事だと彼らは知っている。

 駅に着いて別れるとき、香我見は呟いた。

「でもそんときは、たまにでも思い出してくれたら嬉しいな」

「なんや香我見クン、やっぱり寂しいんやんか」

「やかましい」

 うろな町役場の資料室にいる企画課の二人はこれからも、ばかばっかり。

これにて「ばかばっかり!」は再び完結を迎えます。

とはいうものの、また近いうちにお目にかかると思いますので、そのときにまたお会いできることを楽しみにしております。

ではその時まで、しばしのお別れを。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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