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なんで俺が、メイド科に!?  作者: LOVE坂 ひむな
第一章 学園の巻
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話し合いと炎上

「お前はっ! ずっと俺の目標であり続けたお前はっ! なんで生まれ変わってまでメイドごっこなどっ!!」


 この人生の生い立ちを語っているとリーコはなんか激怒し、俺は怒られることになった。別にいいだろ俺がメイドごっこやっていても。


「最強だから冒険ができない、だから転生して冒険者に、その結果がメイド騎士? 人生一個張ったギャグにしては面白くなさすぎるぞ——!!」


「別にいいだろ。これでも楽しくやってんだよ俺は。そんなに自分より強いやつが現れる見込みがなくなったのが寂しいのか」


「寂しいに決まっているだろう! ——じゃなくて、テキトーに日常を送るだけなら前世でやっていたのと変わらないではないか!! 冒険しろ!!」


「お前にそんなこと強いられる筋合いないな。でもこれでわかったんじゃないか? 大きな暴力を振るえるだけという意味での最強なんて別に面白いものではない。大事なのは人生においてちゃんと何か目的とか価値とかを見出せる——」


「——俺は、武を極めることにこそ至上の価値を見出していた。お前も強さを追い求めているのだと思っていたから、再会したとき恥のないように鍛え続けていたんだ。ところがお前はメイドさんになって可愛い可愛い言われるのに人生の価値とやらを見出しているようじゃあないか」


 内心を決めつけないでほしい。煽り合いがしたいのか? 今の俺は単に流されて生きてるだけだよ。そして残念ながら俺が自身を鍛えていたのは数字が増えるのが面白かったからでしかない。今も鍛錬はほどほどに続けているが。


「今は見出していないのか? 武を極めることに至上の価値とやらを」


「ずっとやっていると飽きてきた。それでもお前という理解者との再会を思って続けてきたんだ」


 何かをやっていても寿命より先に飽きるときが来る。長命種の宿命である。しかし勘違いで数百年数千年を費やしてしまうとは哀れだ。


「当たり散らして悪かったな。自分の生を見つめ直すことにするぜ」


「ああ。でもほどほどにな。思いつめて自殺なんかされると俺も悲しい」


「——それお前が言うか?」


「そうか確かに説得力が薄いかな——まあいい、適当に楽しくやろうぜ」


「ははっ、やっぱお前生まれ変わっても全然変わんねえな」


「そうか? 天職を侍女騎士と告げられたのを転機として割と変わったと思うけどな」


「——え?」


 人狼が真顔になった。まるで俺がおかしなことを言ったようで、思わず鸚鵡返しに聞き返してしまう。


「——え?」


「まさか気づいていないのか——? なんでお前がメイド科になんか行くことになったのか、その理由に」


 えっ。じゃあこいつは気づいてんの? マジ? なんで?



「おのれっ、あの狼め——私は力と配下の大部分を失ってしまった」


「落ち着いてください猊下。まだ遺骸は我々の手中にあります。挽回は可能でしょう」


「ええ、熊の国に逃れて皇帝をバックにつけるのが良いでしょう」


「フイム、ヨスケ——ああ、今に見ていろ、私が最強の暴力を——」


「——訊かないのですね、なぜ私が生きていたか」


「第六感に優れたお前なら生きているのは間違いないと思っていたからな。しかし熊の国というのは——またしてもお前の第六感か」


「そうですね。地理的に近いところは避けた方がいい気がするのです。もちろんリトネシア王国やアザード自由国に行く手もありますが、あそこはヒシュマーシュの勢力が強い——」


「なるほどな。では目指すか、熊の国を——」



「一言で言うと、お前冒険に向いてないんだよ。最強だからとかじゃなくて。お前は力を非日常の世界を切り開いていくためではなく日常の世界を守るために使う。だから守るために力を振るう侍女騎士なんだ」


 ある程度納得のいく話ではあった。俺は霊的状態の数値化という能力をもつ。それは敗北を回避し勝利を拾う、安全に生きるために使う能力だ。ということを話すと、


「お前がそんな力を持っていたことは初耳だが——もっと根本的なところだと思うぞ」


 とのことだった。まあ追い追い考えていくか。


 翌朝。


「ご機嫌よう、ミコトさん! 川に! 行きますわよ!!」


「僕もついて行くよ。ミコトといると面白いことに出会えそうだからね」


「これはなんの騒ぎかしら。お姉ちゃんも連れて行って?」


 朝から部屋に誰か来たと思ったら四人も来客があったのだった。山に登って海に行ったと思ったら今度は川か。——あれ、四人? 


「ユリヤ様とズィロくんとマリーアお姉様と——お前は、何?」


「半日前再会を果たしたばかりだろ」


 狼頭の男が答える。——そうじゃなくて。


「いやお前がリーコ・ラオランゴなのは分かるけど、その格好は」


 彼は燕尾服に蝶ネクタイをつけ四角の眼鏡をかけていた。どんな服を着ても似合わないような彼だが、このはち切れそうな紳士スタイルも正直どうなんだと思わされる。しかし似合わない礼服をあえて着るというファッションと見るとむしろ似合っているような気すらしてくる。よくわからない。


「俺も生まれ変わったつもりになって、お前がメイドなら俺は執事になろうというわけだ」


 どういうわけだよ。


 ともかく、仲間が増えながら俺の日常は続いていくのだった。






















 と、思っていたら。


「何だ、これ——」


 学院についた俺たちは呆然と立ち尽くした。日常の世界とは何と簡単に崩れるものなのだろうか。


 学院が、燃えていた。


***************


「この白魔術は終末派——」


「ギギ——当ゴーレムはリグランダ魔工業とは無関係に破壊行為に及んでいます」


「王都の闇の勢力図が書き換わったのさ。クゥ教の宗教屋がガタガタになったことでね」

ストック切れたのでしばらく休むと思います

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