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因習眠る島  作者: 雨宮 徹


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消せない炎、消せない罪

「自殺? 加賀さん、あなたは小鳥遊一族の肩をもつつもりですか?」


「宗一郎さん、落ち着いてください。ちゃんとした根拠もあります」


 俺は、三枝の弓を取ると、彼の残したダイイングメッセージの内容を明かした。


「やっぱり、師匠は弘道に殺されたのよ」


「確かに、そう考えるのが普通だろう。だが、三枝さんの遺体を見てくれ」


 彼の手のひらを指さしてこう言った。


「ロープの跡をどうやって説明する?」


「どうって……?」


 瑞樹は、俺の言葉の意味がピンときていないようだった。


「《《自分で首を絞めなければロープの跡はつかない》》。つまり、彼は弘道に罪を着せるために自殺したんだ。理由は、まだ分からないが」


 論理的に考えれば、これしかない。


「そんな。師匠が自殺した……?」


「これで邪魔者は消えたな……」


 弘道は静かにそう言った。



【読者への挑戦状】


「火送りの儀式」を巡る惨劇。

桟橋が炎に包まれ、逃げ道は断たれた。

そして、一連の事件の果てに、ある者は命を落とし、ある者は絶望の淵へと沈んでいく――。


だが、この因習に囚われた島で繰り広げられた悲劇の裏に、真の黒幕が潜んでいる。


あなたは、すでにこの謎を解く鍵を手にしている。犯人は誰なのか? その決定的証拠とは何か? そして、この因習の結末を見届ける覚悟はあるか?


すべての真相が明かされる前に、あなた自身の推理を導き出してほしい。

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