オマケダンジョン5話
*タリス視点*
マスターたちが走って行った。それを確認すると私は敵に目を向ける。”死神”。その名称が良く似合う敵だ。付与魔法でネクとティアの武器全てに聖属性を付ける。そしてアイテムボックスから魔力ポーションを使って魔力補充する。
「ネク、ティア。私たちの目的は時間稼ぎよ。無理な攻撃はしないでね」
勝てるなら勝ちたい。だけど、勝てるような相手には思えない。
(アレがマスターを攻撃したら嫌な予感がする……)
残った理由はそれが大きかった。死んでも戻るだけの迷宮なのに直感がそう告げる。恐らく皆気が付いていただろう。
「さて、時間稼ぎなら……」
あたしは全力で死神に結界を張り閉じ込める。抜け出せないのなら時間はかなり稼げるはず。死神は何度もその手に持つ鎌で結界を斬り付ける。2,3分だろうか。すぐに破られる。
死神はそのままあたしたちへと鎌で斬りかかって来る。ネクが正面に出て鎌を盾で殴り鎚で鎌を固定し動かないようにする。ティアがその隙に死神へ斬りかかる。ローブが斬れ内側の骨にまで達するが、ダメージを与えているようには思えない。
(霊体……?でも聖属性は付いているし……)
初めて見るタイプだ。ネクは鎌をずっと固定し動かないようにしている。死神は魔法でネクに攻撃をするが、ダークロードのスキルで魔法は吸収していくので全く効果がない。
ティアは浮いていた死神を地面へと叩き落し2本の剣を交差させて相手の体を地面に固定する。これでこいつは何も出来ない、そう思っていた。
死神は鎌から手を離すとその手をネクへと向けた。それだけでネクは粒子になって消滅した。
「え?」
訳が解からない。攻撃されて倒された、というのであれば納得しただろう。手を向けられただけで倒されるなんて何が起こったのだろう。
ティアは危険だと瞬時に理解し、後方へ飛ぶ。その攻撃の攻撃範囲が解からない。何かをされているようにも見えなかった。どうすれば回避できるのだろうか。
「タリス、時間を稼ぐから大きいのをお願い」
ティアが言って来る。あの攻撃が来たら時間を稼ぐも何もない気がする。それでもあたしは頷くと全ての魔力を込めて詠唱を開始する。
それが始まったとティアは確認すると武器を弓に変えて遠距離からの攻撃を開始した。決して立ち止まらず、何本もの矢を打ち込み動きを封じる。
もう少しで詠唱が終了する所で、ティアが消えていくのが見えた。その後すぐあたしの詠唱が終了し、それを全力で打ち込む。結果は解からない。全魔力を使った魔法だ。死神に当たった事だけを確認するとあたしも消滅した。
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*スズキ視点*
(あの敵はなんだったのだろう)
そう考えながら俺たちは急いで階段まで走っていた。3人は文字通り命がけで戦っているのだろう。俺に出来る事は生き残って拠点へと帰る、それだけだ。それ以外の感情は封じる。
そして奴は姿を現した。壁からすり抜けてきたように現れる。
「もう追いついたのか」
思わず呟く。ネク、ティア、タリス。その3人の力をもってしても時間を稼ぐのが難しいほどの相手という事だろう。
「主様、あれと主様を対峙させるわけには行きません。リム、行きますよ」
パステルがそんな事を言う。俺と戦わせてはならない、という意味は解からない。だが、無理やり納得する。
「主、必ず生きて戻って」
リムがそんな事を言う。役を演じる余裕が無いのかも知れない。
「解かった。必ず拠点へ戻る。そこでまた会おう」
それだけ言って俺は駆け出す。後ろを振り返らずに。
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*パステル視点*
「行きましたね」
主様はこちらを1度も振り返らず走っていった。それは私たちを信用してくれた、と思うことにする。
「リム。前衛がいないので、精霊を出します。援護は任せましたよ」
リムに伝える。精霊を出している間は別の魔法が使えない。今は弓も同時に扱う事は出来るが、属性付与のない今では攻撃は通じないだろう。あるとすれば残り1本の黒龍の矢くらいだ。
私はすぐに精霊を召喚する。神聖魔法と合わせた光の精霊だ。命令を出し、死神へと向かわせる。リムは詠唱を開始している。その姿を見て私は弓に黒龍の矢をつがえる。
(もったいぶっても仕方ないですしね。一気にいきましょう)
即死効果が効くかどうかは解からない。むしろアンデッドのように見えるので効かないと思われる。そうだとしても属性を持つ矢である以上それなりの威力になるだろう。
(だけど、それだけでは足りない)
ただ射るだけでは芸が無い。その奥に壁に仕掛けられた罠を発見する。
(主様が去って5分後に狙うとしましょうか)
すぐに狙うと罠に巻き込む恐れがある。時間を稼ぐ事が目的である以上それでいい。リムは魔法の詠唱を完成させると高温の炎の玉を打ち出した。それは敵に当たるが効果が有るようには見えない。どれだけ強いのか。
そしてそれを目の当たりにする。光の精霊が突然消滅したのだ。
「もしかして……即死攻撃?」
私の持つ矢を見る。もし、これと同等の効果がある攻撃をして来たら……そう考えるとぞっとする。どれだけ硬い装甲であっても意味を成さない。
「リム、もしかしたらアレはこの矢と同じ即死攻撃です。絶対に食らわないように気をつけてください」
リムに伝える。リムは「解かったのじゃ」と胸を張る。私はそれに笑いかけるとすぐに敵の方を見る。
(精霊をこんな使い方するのは気が引けますが……)
精霊を召喚し盾にする。即死攻撃を受けた精霊がどうなるのかは解からない。普通に倒された様に自然に帰るのだろうか。
死神は召喚された精霊にまた即死攻撃を行いすぐに消滅させる。そして敵は姿を消した。
(え?まさか転移?)
転移魔法というのがあるが、それは周囲全員の転移だった。もしかしたら別のタイプで自分だけ転移する事が出来る魔法なのかもしれない。戦闘時、これほど厄介な魔法は無い。
リムは急いで剣を抜くと突然後ろを斬りつけた。すると鎌を振るおうとした死神に当たる。大した直感だ。私は下位の神聖魔法を詠唱をせずに相手にぶつける。
威力はないが、それだけでも体勢を崩す事が出来た。私は精霊を再度召喚する。
「リム、フルバーストは出来ますか?」
フルバーストというスキルは魔力のある限り詠唱を省略し魔法を撃ち続けるスキルだ。大抵の場合は魔力が尽きるか、その寸前で止まる。リムはその加減が苦手らしい。つまり、リムに魔法を使って死ね、と言っているようなものだ。
「それしかないようじゃのぅ……」
本人としては死ぬ選択を選ぶのは嫌だろう。だが、それしかもう手が無い以上仕方ない。転移後に即死攻撃をされたら何も出来ずに倒される。それならば少しでもダメージを与えて行動を遅らせる事にする。
「精霊を2体召喚して敵の動きを封じます。その間に一気に攻撃をして下さい」
以前試した時は全然駄目だった。だけど、私はあの頃のままではない。魔力の急激な消耗に耐え精霊を更にもう1体召喚する。維持の為の魔力がどんどん減っていくのが解かる。
私は精霊を2体使い敵を両脇から押さえ込む。その光景を見たリムはスキルを発動し隙間も無い程の大量の炎を生み出す。そして、それらを全て敵へと向かわせた。
(燃えている……)
普通の敵であればこれで倒せるだろう。リムが隣で疲労した顔を見せる。そして視線が合うと笑って消滅した。胸が痛い。
炎が消えると魔法保護で逃れた精霊2体と敵が見えた。敵のローブは全て燃え尽きていた。敵は鎌を振るうと2体の精霊が消滅する。
(ここまでみたいですね)
魔力はもう殆ど残っていない。アレで勝てないのであれば策は全て尽きた。私は先程の罠の近くまで行く。矢は残っていたので普通に撃つ。当たるが大したダメージにならないようだ。
(やはり即死攻撃は効かないようですね)
敵が私の近くへ辿り着き、鎌を振るおうとする。そのタイミングを見計らい私は罠を発動させた。
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*スズキ視点*
(……)
もう考える気になれない。ただ罠を回避し階段まで走るだけだ。そして俺は階段まで辿り着く。探知を使うと敵が近くまで来ていた。どうやら皆倒されてしまったようだ。皆の意思を無駄にしないよう俺は転移の羽を使い拠点へと戻った。
拠点へと戻るとクウとエンが出迎えてきた。俺はその場に膝を付く。何故皆は俺を一緒に戦わせようとしなかったのだろう。
「ご主人様、先に戻ってきた皆様はベッドへ運んでおきました。一体何があったのでしょうか?」
エンが聞いてくる。俺にも良く解からない。ただ、得体の知れない敵が1体いた。それだけだ。
「すまん、俺にも解からない。ちょっと調べてみようと思う。皆の世話は頼むぞ」
いつまでも思い悩んでも仕方ない。先へ進まねば。俺はパソコンを立ち上げるとメールが届いているのを確認した。ここでメールを出来るのは管理者だけだ。何だと思い開いてみる。
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突然すみません。
私は管理者様のサポートをさせて頂いているイーリスと申します。
この度は申し訳御座いませんでした。
あの敵は、冥王の使いという敵です。
冥王というのは、管理者様と敵対している一派になります。
その使いが今回この迷宮へと侵入していました。
今、管理者様は冥王の使いの討伐、及び冥王へ文句を言う為に準備を行っています。
それらが終わるまで、迷宮への立ち入りを禁止させて頂きます。
冥王の使いに倒された使い魔は魂の損傷が激しい為、目覚めるのに1週間ほどかかると思います。
長く休みますが、後遺症の類は一切ありません。
ご安心下さい。
あの敵はプレイヤーの皆様を狙っておりました。
プレイヤーの方があの攻撃を受けると復活の保護を受けられず消滅してしまう恐れがあります。
使い魔の皆様はそれに気が付いていらっしゃったようですね。
良い使い魔との関係を築いておられるようで何よりです。
この件が終わりましたら、管理者様よりご連絡があると思います。
それまでお待ち頂くようお願いいたします。
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(アレは管理者からしてもイレギュラーな出来事だったのか……)
それに遭遇した俺は不運だったのだろう。管理者も大変なようだし、文句の1つも言いたいが止めておこう。
俺はこの件をコク、エン、クウに伝え、目が中々覚めないメンバーへの世話を頼む。俺もやるつもりだが、男では色々と困る部分もあるだろう。
これから大体1週間くらいの休暇になるようだ。心身共に休めるとしよう。
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【もう無理ぽ】オマケダンジョン part1【心が折れそうだ】
458 名前:名無しさん
オマケダンジョンまさかの延期wwwwwww
459 名前:名無しさん
詳細知っている奴よろ
460 名前:名無しさん
すげー強い敵が来た
即死攻撃して来た
管理者の敵だった
461 名前:名無しさん
意味わかんねーよ
とにかく迷宮と関係ない敵が来たからってこと?
462 名前:名無しさん
解かってんじゃないか
しかし、即死攻撃ってマジか
463 名前:名無しさん
それはきついな
食らったら倒されるとか
盾役が終わる
464 名前:名無しさん
それで閉鎖して対応か
仕方ないな
465 名前:名無しさん
どれくらいかかるんだろうな
466 名前:名無しさん
それより俺はメールをくれたイーリスって人が気になるな
467 名前:名無しさん
管理者のサポートしている人だっけ?
イーリスって女みたいな名前だよな
468 名前:名無しさん
確か女神の名前だっけか
ギリシャ神話のヘラの部下で伝令
469 名前:名無しさん
メールとか正に伝令役じゃねーか
便利な世の中になりましたね
470 名前:名無しさん
管理者=ゼウス説が浮上したな
471 名前:名無しさん
もう何でもありだな
472 名前:名無しさん
迷宮に入れない間なにすっかなー
世界に出れる人はいいけど
クリアしていない俺はどうするか
473 名前:名無しさん
あー出れない奴は出来る事が少ないな
娯楽施設を設置してなかったら更にやる事がなさそうだ
474 名前:名無しさん
使い魔と遊んでいればいいじゃないか
475 名前:名無しさん
遊ぶって・・・子供じゃあるまいし
476 名前:名無しさん
何を言っているんだ?
子供じゃないからだろ?
477 名前:名無しさん
っ性神と加護
478 名前:名無しさん
耐久レースかよ
それは勘弁
479 名前:名無しさん
俺はこれを機にゲームでも導入してみるかな
何だかんだで元の世界では結構やってたし
480 名前:名無しさん
レトロゲーなら結構安めだったよな
たまにはやってみるのもいいかも知れん
481 名前:名無しさん
そして使い魔に奪われると
マ○オをやるフェアリーとか笑うしかねぇ
482 名前:名無しさん
あーフェアリーって好奇心旺盛だからやりそうだな
483 名前:名無しさん
リザードマンにファ○リート○ーナーとかやらせてみたい
振動でバグりそうだけど
484 名前:名無しさん
俺はオークにやらせて痩せさせてみたい
オークって痩せるとどうなるんだ?
485 名前:名無しさん
使い魔である以上痩せないだろ
手足拘束させて走らせるのか?
486 名前:名無しさん
あーそうだったな
細マッチョのオークとか面白そうだったのに
487 名前:名無しさん
小型のテレビだと新しいゲーム機は辛いよな
大型の液晶とか欲しいなー
488 名前:名無しさん
あるけど高いんだよな
セットで欲しいが、レトロゲーで我慢しよう
489 名前:名無しさん
よし、ウィ○ード○ィやろうぜwwwww
490 名前:名無しさん
何でゲームの中でまで迷宮探索やらなきゃならんのよ
でも久しぶりにいいな
491 名前:名無しさん
お前らどこまで迷宮中毒なんだよ




