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迷宮と掲示板  作者: Bさん
最終章 ラストダンジョン
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エピローグ

 俺たちはボス戦に勝利し意気揚々と拠点へと帰還する。


「ご主人様、無事?」


 ティアが出迎えてくる。後ろにはコクとタリスも居るようだ。ラスボスという事で3人で祈ってくれていたのだろうか。


「ああ、ちゃんと倒したぞ。今日は盛大に祝おう」


 そう言うとティアは俺に抱きついてきた。喜んでくれているようで良かった。でも腹は痛いから止めて欲しい。


「お酒!?」


 これはコク。お前はまずそれか。


「肉!?」


 これはタリス。毎日食べてるだろ、お前。


「まぁ、まだ昼前だからな。ティア、夕飯に間に合うように調理を頼む。酒は少しベッドで仮眠を取ってから買うとしよう」


 それだけ伝えると怪我をしている俺とネクとエン、そして魔力の殆どを使い果たしたリムとクウが一緒にベッドへと向かう。パステルは相変わらず魔力は余裕そうだ。



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 仮眠を取ると傷が完全に治癒されたようだ。疲労は残っているが仕方ない。リムとクウも寝た事で多少は魔力が回復し帰ってきた時に比べ血色がいい。


「俺は酒を選ぶとしよう。コク、お勧めを教えてくれ」


 今回は以前よりも奮発しようと思う。突破のお祝いだしな。


「うん、どんどん選んじゃうよ」


 ドワーフ基準で酒を揃えるとどうなるのだろうか。ちょっと怖い。そうして酒を選んでいく。また酒の購入は樽基準だ。やっぱりドワーフはどこかがおかしい。


「さすがにこれは買いすぎだろ……水だとしても飲み切れないぞ、これは」


 10樽は多すぎると思う。1人1樽飲める計算だ。無理だろう。1樽150リットルは入るサイズである。さすがに部屋に置くには邪魔すぎるのでアイテムボックスに放り込む。本当に便利だな、これ。


 コクは満足したのか立ち去っていく。今度はタリスとリムを呼ぶ。タリスは俺の肩の後ろへ、リムは膝の上に乗る。


「パーティには料理が必須だが、デザートがない。そこで2人には良さそうなのを選んで貰う」


 それを聞くと2人が目を輝かせる。一応、今までに数回はケーキやらチョコレートなどの甘いものを提供した事はある。さすがに高いから何度もは無理だが。

 ティアの腕をもってしてもデザートは作り方が解からないらしい。本もそれっぽいのを見かけないし、せいぜいクッキー程度だ。


「ケーキ!ケーキがいい!!」


 タリスが叫ぶ。とりあえず落ち着け。以前出したケーキは日本ではおなじみのショートケーキだったが、好評のようだった。リムとタリスに殆ど食われてしまったが。


「チョコレートはあるのかのぅ?」


 と、リム。膝の上で見上げながらこれは反則である。思わず頭を撫でてしまう。発作みたいなものだ。


「ケーキって前のアレと同じで良いのか?」

 

 タリスに聞いてみると”それも”と答えた。どうやらホール1つでは足りないらしい。リストと映像を見ながらどんどん選んでいく。アイテムボックスは劣化しないから良いんだが、買いすぎではないだろうか。


(このお菓子とか酒は誰が作っているんだろうな。管理者が1つ1つ作っていたら笑える)


 もう完全に購入は2人任せである。虫歯にならないし、太りもしないから食べるなとも言えない。気分が良くないから歯磨きは毎日しているけど。


 ボーっと楽しそうな2人を眺める。だがそれが間違いだったようだ。気が付いた頃には、20万DPが消費されていた。


「お前ら買いすぎだ。こんなに買っても食べきれないだろ」


 呆れながら言う。どう考えても今回食べるもの以外もあるんだろう。これで終了だ、と言うとリムが悲しそうな顔をする。どうやら本命のチョコを買っていなかったらしい。膝を付いて四つん這いになる。折角だから尻を撫でておく。それに驚いたリムは慌てて立ち上がる。目の前にそんな光景があったら撫でるだろう?


 買うものは終わったので掲示板を見ようと思う。この掲示板には随分とお世話になったと思う。情報を得たりそれを裏切られたり、色々とあった。時には雑談を交わしたり、変態談義をしたりして俺を支えてくれた。


(お前ら、これからも宜しく頼むぞ)


 先の世界へと行っても掲示板は使える。それもまた俺たちの支えとなるだろう。お礼もお別れまだ必要ない。まだ俺たちは始まってもいないのだから。

最終話になります。今までお付き合いありがとうございました。

もう少し設定などが続きますが、本編はこれで終了となります。

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― 新着の感想 ―
[一言] 一気に読んでしまいました… 使い魔を大切に思いながら一緒に戦ってきた主人公の優しさが感じられる話でした。 掲示板の内容も面白いものばかりで退屈しませんでした。
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