51話
前回のあらすじ
乱戦になった。リムが倒された。皆ボロボロ、何とか3階にいけた。
(昨日の戦闘ではリムを護れなかった。剣と盾だけで仲間を護るのは難しいのだろうか。全てを護るなんて傲慢だと思うが、目の前の仲間を極力護りたいとは思う。それをする為の努力もしたい)
攻撃力や戦闘のセンスではネクやティアには敵わない。魔法の腕ではタリスやパステル、リムの足元にも及ばない。俺には何が出来るのだろうか。
スキルを眺めながら考える。DPにも余裕があるので、魔法保護のスキルを後衛職全員に覚えさせる。効果は魔法で仲間を攻撃しないようになるという奴だ。
(うーん……結局俺には剣と盾しかないんだよな。それを伸ばす事が出来ないだろうか)
色々と気になったスキルを見る
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伸縮自在
効果
手足を伸ばせる
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(その伸ばすじゃねーよ)
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投擲
効果
装備を投げる技術
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(うーん、切り札としてはありなのかな?オーガでも投げたし、スキルがあると何か補正がかかりそうだ)
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使役鼓舞
効果
使い魔のステータスを強化する。プレイヤー専用
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(こんなのがあったのか。覚えよう)
もしかしたらプレイヤー専用というスキルは良い性能なのかもしれない。そう思い閲覧していく。
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精力爆発
効果
やる気になりまくる。プレイヤー専用
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(これ以上どうしろと。既に増大の時点で持て余しているよ)
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怪我交代
効果
自分の怪我を使い魔に移す。プレイヤー専用
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(生き残る為とは言えやりたくはないな)
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???
効果
???。覚えたら消せない。プレイヤー専用
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(ちょ、こわ。精力関係だったら困るわ)
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スキル限界突破
効果
スキルの限界値が+100になる。使い魔も有効。プレイヤー専用。
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(これだ!!)
スキルレベルを上げるのは大変だろう。だがスキルの限界が上がるという事はそれだけ強くなれるという事だ。自分だけ強くなりたいなどという傲慢な心はない。
(俺だけが強くなるよりも皆で強くなろう)
そう思い、スキル限界突破と使役鼓舞を取り、これで10個揃う。パソコンから顔を上げて目を閉じる。別に目が疲れたわけではない。
「さてと、調合でもするか」
声に出して予定を言う。一人暮らしの人なら解かってくれると思うが、突然喋りたくなる事がある。癖みたいなものだ。
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調合を終え、のんびりとした時間を過ごす。今日は休息が目的なので訓練はしない。暇だったので一緒に鍛冶の合間に休憩をしているコクに聞いてみる。
「狂化ってどんな感じなんだ?」
職スキルの狂化である。敵味方を区別なく攻撃するとあった。実際に持っている人に聞いてみないと感じが解からない。
「うーん、危険だね。何も考えられなくなって1点に集中してしまう感じかな。戦闘中に使うと相手を倒さないとならない、という衝動に駆られるんだ」
そうなると戦闘以外で使うとどうなるんだろうか。それを聞いてみる。
「どうなんだろうね。戦闘以外では予想が出来ないや。その場で暴れるのか、それともその時にやっている事に集中するのか」
調べてみたい気分はある。もしかしたら凄い勢いで鍛冶が出来るかもしれない。下手したら素材だけを無駄にしてなくなるかもしれないが。
「それはあるかな。何だかんだで鍛冶は精密な作業だから冷静にやらないとならないしね」
どうやら鍛冶では使えないらしい。それなら何で使えるのだろうか。そもそも戦闘以外で使おうとするのが間違いなのかもしれないけど。
「何かに使えないかなー無駄になっていると思うともったいない気がしてくる」
使える手があればそれに越した事はないと思う。
(そうだ!狂王の瞳だ)
「狂化を使った相手に狂王の瞳を使ったらどうなるんだ?」
思った疑問を口にしてみる。
「それは……大丈夫なの?」
性的な意味で狂って、それに集中する様に狂う。俺の身が危うい。
「無理だな。瞳の時点でかなりやばいし、相乗効果なんてなったら俺が死ぬ」
腹上死なら本望だ、という人が居るかもしれないが、ここは迷宮だ。死んでも復活する。それを繰り返したら精神がやばい。
「それなら普通にした方がお互い楽しめると思うしな。危険な事をするもんじゃないか」
結論付ける。怖くて逃げたんじゃないですよ。
「そ、そうだね。普通が良いよね」
顔を赤くしながら答えるコク。可愛いもんだ。




