忘れていた……
「ふふ~ん、今日は楽しみの番組が始っまるっぞ~」
洗い終わった御華は、楽しみにしてる番組を見るために、居間に向かった。
そんな時だ、
「御華、宿題は終わったの?」
ソファーに座り、食後のティータイムを楽しんでいた姉に、忘れていた恐ろしい事実を告げられたのだ。
ビクッ!
「しゅ、宿題なんて出て無いよ?……きっと」
姉にそう返しながらも、最後に小さく付け足した。
「はぁー、やっていないのね」
だが、姉には御華の嘘は通じなかった。
「はい、やっていません……」
先程までのワクワクしていた気持ちが、絶望の縁に叩き落とされた。
御華は正座になり、俯きながらやっていないことを認めた。
「そう。それじゃあなんで、テレビを見ようとしていたのかしら?」
姉の言葉で追い詰められて行く御華。
まるでその様子は、浮気がバレた夫を問い詰める妻のよう。
「忘れて、いたんです……」
声が小さくなりながら、理由を話す御華。
しかし、それが御華を追い詰めて行く材料になった。
「思い出せることが出来て良かったじゃない」
姉の言ったことが正論だと思いながらも、情状酌量の余地を求めて言う。
「さめて、楽しみにしていた番組を見てからでも……」
「駄目よ。それを許してしまった時があったでしょう?その時はどうなったっけ?」
話してる途中で遮られて、姉に過去の話しを掘り返された。
「そのまま……眠って、しまいました……」
部屋の空気は重く、テレビの音も、どこか遠くに聞こえた。
その中で、御華は正直に言わざるを得なかった。
「そうだったわよね?何故、そんなことがあったのにさせると思うの?」
姉はとことん、正論で追い詰めて行く。
「はい……その通りです」
正論故に、言い返すことも出来ず。
御華は、この先の未来が見えた。
そう、見たい番組を観れず、宿題を必死に終わらせようとしてる自分の姿が……
「分かったのなら、宿題を先に終わらせて来なさい」
姉は、止めを刺した。
「未来は変わらない」頭の中で浮かんできた言葉、御華はその通りだと思った。
「……分かりました」
俯きながら居間を出た御華は、自分の部屋に向かいながら悔し涙を流した。
______________
「はぁー、やっと終わったー」
宿題を終わらせた御華は、疲れ果て、机の上に体を伏した。
「英語、ほとんど分からなかったな~~」
机の端に置いた、英語のプリントを見ながら言った。
「見たい番組も終わってるよね~~」
時間を確認せずとも、悟っていた。
「もう疲れた~、お風呂に入って寝よ~~」
だが、そう言いながらも、動いていない。
「その前に、もう少し休憩してから行こ~~」
疲れて、動きを失っており、暫く休むことにしたが、
「ふわぁ~~…少し、だけ……」
段々と瞼が落ちてきて、瞼が落ちきる頃には眠ってしまったのだった。
コンコン
「御華~、お風呂沸いたわよ~」
御華が眠ってしまったすぐ後に、姉は部屋のドアを叩き話し掛けるが、
「すぅー……すぅー」
眠っている御華には届いていなかった。
「?…御華~、開けるわよ~」
返事が無くて不信に思った姉は、一応の礼儀として言ってから、部屋のドアを開ける。
「すぅー……すぅー」
姉が部屋に入ると、机に伏して寝ている御華を見つけた。
「ふふ、疲れて眠っちゃったのね」
机の端に寄せられたプリントを見て、理解した姉は起こさないように小さく言った。
「ここで寝たら風邪を引いちゃうでしょ」
姉は独り言を言いながら、御華を優しくお姫様抱っこをして、ベットに運んで行った。
バサ
「すぅー……すぅー」
「お疲れ様」
ベットの中に御華を入れた姉は、起こさないように優しくなでながら、労って部屋を後にするのだった。




