また、鷲掴み
無理だった。
二人はおでこを腕で拭いながら、清清しい表情で言った。
「ふぅ~、スッキリしたなー」
「あぁ、こんなスッキリしたのは久しぶりだ!」
暫くの間、清清しい気持ちを味わっていたが、
「お前と手を組めて良かったぞ!」
兵長はそう言って、少女に手を差し出した。
それを見た少女は、少しの間、固まっていたが、すぐに兵長の手を握り返し言った。
「ふっ。俺様も、お前と手を組めて良かったぞ」
少女の応えに兵長は、
「そうか!」
バシバシ!
と言って、嬉しすぎたのか、少女の背中を叩いて喜びを表していた。
「痛っ!」
「すまん!」
少女の言葉で、自分が少女を叩いていた事に気づいた兵長は謝った。
兵長の謝りに少女は、
「痛かったからな!だが、今回は気分が良いから許してやる」
腕を組み、胸を張ってそう言った。
「すまなかったな!」
偉そうな物言いの少女にたいして、兵長は怒ることはなく笑顔でもう一度謝まった。
清清しく謝る兵長を見た少女は、
「お前はバカだと言われないか?」
煽るような事を言った。
勿論、兵長は怒った。
「誰がバカだと?」
ボキボキ
指の骨を鳴らしながら少女に近づいて行く兵長。
だが、少女はそんな事に動じていないのか、
「うん?お前の事だが?」
兵長をバカだと言ってしまった。
ブチ
「そんなに怒らせたいか………戦友だと思っていたんだがな。俺の勘違いか」
兵長は怒り爆発寸前の表情で少女に言った。
しかし、
「うん?何を言っている?俺様が言いたいのは、お前ほど清清しい奴はいないと言いたいのだ」
少女の言葉に兵長は、
「うん?俺がバカだと言ったのでは無いのか?」
首を傾げて問い返した。
「バカなのは認めるが、戦友を怒らせるつもりなど無いぞ?」
少女も首を傾げて、一部を否定した。
そこに気づいた兵長は、
「おい、バカだとは思ったんだな?」
ボキボキ
少女に問い返しながら指の骨を鳴らた。
「あぁ、バカなのは認める」
少女はあっさりと認めた。
「ほぉう、闘いたいみたいだな?」
ボキボキ
兵長は体から熱気を吹き出しながら、少女に近づいて行く。
「闘うつもりは無かったが………その勝負やろうか!」
少女も少女で、拳を構え、兵長が範囲内に来るのをジッと待つ。
だが、兵長は何もせずにゆっくりと少女に近づいて行く。
遂に!少女の範囲に入った兵長を、少女は素早く攻撃した!
「ハァ!」
ドゴン!
その攻撃は、先程の戦いにより強くなっており、兵長に瀕死の攻撃を与えたかと思う程の音が響いた。
だが、
「この程度か?」
「なっ?!」
兵長を止まらせる事は出来なかった。
それを見た少女は、呆然としたが、
「くっ!」
すぐに戻って来て、仕切り直そうと後ろに下がろうとしたが、
ガシ
「反省してもらおうか」
兵長に頭を鷲掴みにされ、
ググググ
力が加えられていく。
「放せー!はな……イダッ!イダダダダ…………」
少女はジタバタ暴れて、逃れようとするが、逃げられなかった。
「反省したと思うまでこのままだ」
兵長は無情にも、残酷な事を少女に伝えた。
「イヤだーーーー!」
少女の悲鳴が兵舎内に暫くの間、響いたのだった。
追記
今更ですが、
全話の中に、主要キャラ以外で再登場したキャラが一人だけいることに気づいていましたか?
作者は、そのキャラを登場させる予定だったので、気にしてなかったのですが。
読者は気づいているのか気になったので、書きに来ました。
答えは明日、分かります。




