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異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ。  作者: 伊達教宗
第10章 ブラキュリオス湖畔紛争 Ⅴ
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129話 激闘!セイジョン・ローグリア攻城戦 6

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月17日・午前8時55分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城東門・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城東門城郭側・通称・サナダ丸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!



ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!



ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


 容赦ない連続砲撃の嵐が敵たるグリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍の本隊にして、グリクス地方軍団東部中央方面隊を襲う。


「むっ!?」


「更に砲撃が来るぞ!!」


「伏せろっっ!!」


ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーン。


「「「「「ぐわわわーーーっ!!」」」」」



「怯むなっ!!前えっ!!前えっ!!全軍っ!前ええぇぇぇーーーーっ!!」


 前線指揮を任されている副司令官であるオバム大佐旗下のグリクス地方軍団・グリクス地方軍団東部中央方面隊先方軍の大将は、敵の砲撃のせいで味方が畏縮をさせまいと、大きな声を張り上げ事で檄を飛し、敵陣地へと進軍する将兵達を鼓舞する。



「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」


「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」



「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」



「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」



「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」



 特科大隊の砲撃の嵐に怯む事無く、果敢にも攻め入るグリクス地方軍団東部中央方面の先鋒隊1万人の将兵。


 堀を巡らした小さな半円形状の防塁である丸馬出しと城壁の真下に張り巡らして居る堀にさえも、意に介さずに殺到し、それらを乗り越え様として迫り来る。


「各員っ!撃ち方よーい!っ!」


 自衛官やアルガスの弓兵らが射撃態勢を取った。


「こんな突貫で掘り進めた堀なんて、簡単に乗り越えてってあれ?」


「うああっ!!あぷぷぷっ!!あっ!!足が着かないっ!!」


「ふっ、深い?ばっ、バカなっ?」


「なっ 何故だ?」


「この堀の池っ、意外とあっ、足がっ!!」


 堀は水深35メートルくらいは掘ってある。


 人に由っては足が着き辛く、また泳ぎが苦手な者達に取っては、やや、恐ろしい深さと成って居た。


 戦場では尚更である。況してや、重い鎧や武器を装備して、この手の堀は地獄の一丁目と言えた。


 ホンのちょっと深いだけなのと、上手く計算された傾斜だけで、降りるのは簡単でも登るのは容易ではない代物だ。

 


「がはははははっ!!思いの外、意外と深いだろう?」


 それに掘られて居る堀は、目の錯覚をさせる構造に成って居る。


 築城の名手の1人でもある藤堂高虎も、この様な堀を作るセコさを知って居た。


 そして、彼の大阪城の戦いでも、この手の堀で、徳川方の将兵が大勢戦死している。


 今でも元堀跡を工事すると稀に白骨の遺体が発見される事も有るのだ。


 それも大体の遺体には、銃弾の痕が多いとの事である。


 だからこそ、徳川家康は、大坂方を騙し討ちにする事で、大坂城の全ての城を埋めさせたのであった。


「撃てえええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!」


 

パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!



「決して慌てるなっ!」



「単発で狙い撃ちを心がけろ!!!」


「訓練通りにすれば大丈夫だ!!!」


 陸自の各部隊長は、部下達が冷静に銃を撃たせる事だけを心がけていた。



 ダバ派遣隊が、この戦場で無駄弾を撃つ余裕は、余り無い。



隊員らが撃ち残しをした敵の兵士等をアルガス弓兵隊が、撃ち抜いて居た。


 その中には岩や石、熱した油や熱湯に馬糞を投げつける姿や、家畜の糞尿を塗りつけた鏃の矢まで射掛けている。


 彼の楠木正成が行って居た攻城戦法ですら、この戦いに取り入れて居るのも、鎌倉幕府滅亡から室町幕府設立までを描いて居る太平記時代の戦史を知って居る自衛隊の入れ知恵である。


 家畜の糞尿を塗りつけた鏃の矢を撃たれると、その人体は破傷風を引き起こす危険性がある。



 抗生物質の薬でも無いと命に関わる恐ろしい攻撃だった。



「ぐぬぬぬっ!」


「此処を決して通すなあああぁぁぁーーーっ!!」


 両軍の盾同士が激しく競り合う。


「決して、味方に中てるな。よーく狙って、撃てよ・・・・・」


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!


パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!パンパンパンッ!!!



 丸馬出しの内側へと迫るグリクス地方軍団は、89式小銃の銃撃に晒され、出血を強いられながらも勇敢に城門へと迫って居た。


 サナダ丸での戦いは、味方同士の連携が肝なのだ。


 そして、迫り来る敵兵は、強固な守りを有するサナダ丸の中に一歩も内部へと入り込めない。


 激しい攻城戦は、膠着状態が続く。


「ええいっ!!何なのだっ!あの妙ちくりんな土塁はっ!?」


「はっ!正面の土塁防壁のせいで、我が軍は正面攻撃が行えません。」


「あの様な小さい土塁如きの癖に小癪なっ!!!」


「我が軍の者共は何をやっとるのかっ!!!何故、突発が出来んのだっ!!!」


「報告っ!」


「左右両翼の部隊も堀や土塁に加えた木造の城壁の阻まれ、突破は不可能と思われ・・・・・・・・」


「報告を致しますっ!」


「我が方の将兵、各地の池堀に嵌まって居り、抜け出せずに居た者達は、全滅したと思われ・・・・・・・・」


「ええいっ!!!これは一体、どう成ってるっ!!!」


(くそっ!!あれは、あの外郭城郭はっ!アルガス騎士団・第三騎士団・アルガス戦士兵団の団長ダンブルド・アーシダの造った物でも、指揮して居る策ですら無いぞっ!!!)



(あの噂に違わぬ豪傑筋肉バカでは、この様な裳の策は思いも付くまい・・・・・)


(一体、何所の誰の差し金だ?)


(目の前に広がる外郭城郭に異様な黒い影を感じる・・・・・・・・・・)



 オバム大佐は苛立つ。


 完璧にサナダ丸の見た目から来る脆弱に見せ掛けた防御機構に彼の指揮する軍は、見事に嵌められて居た。


 オバム大佐は、自分には見えない影が彼らを阻んで居た。


 赤い鎧を身に付けて、鹿角の兜を被った、彼の日ノ本一の(つわもの)と呼ばれた男の姿だった。


 それに加えて、嘲笑うかのように表裏比興の者と称された父親の影すらも見え隠れして居たかも知れない。


「ええいっ!!!こう成ったら、魔導機兵隊のイースト・エンペラル隊100機を前線に突っ込ませろっ!!!」


「彼の城郭ごと、一気に揉み潰してくれるっ!!!


「ははっ!!」


 オバム大佐は、サナダ丸の防御力に対して、大胆にも全長30メートルを誇る魔導機兵隊のイースト・エンペラル隊100機の投入を決め込んだらしい。



「むむっ!?」


「今度は魔導機兵隊のイースト・エンペラルを投入して来たか?」


「アーシダ第三騎士団長殿。此処は危険です。後退を・・・・・・・」


「そうです。自衛隊に頼んで、今直ぐにでも戦車隊の応援を・・・・」



「お待ちください。」


「貴官らは・・・・・」



 アーシダ第三騎士団長とその配下将兵らは城内へとの撤退を進言したが、其れに待ったを掛けたのは、陸自部隊の自衛隊員等である。


 彼らの片手には、それぞれ、携帯火器や銃弾威力の高い弾が撃てる銃が構えられていた。


「あの程度、この場で蹴散らして、ご覧に居れますよ。」


 不適な笑みを浮かべる自衛官ら、何か策が有る様である。


「おお、何と心強い。」


「生身で、あれ等を討ち破ると言うのか?」


「ええ、初めてやりますが、如何にか成りますよ。」



「各隊へ通達っ!指示した通りの場所に向けて、集中攻撃だっ!」



「なぉに、時速20キロから30キロ程度の速度しかないロボットだ。如何にか成る。」


 陸自中隊は、敵歩兵部隊が下がるのと同時に入れ替わる様にして迫って来た、イースト・エンペラル隊100機を生身で向かえ討つ決断をしたのであった。



「敵の魔導攻撃が止みました。」


「恐らくは仕切り直しだな。」


「これで奴らも撤退せざる終えまい。」


「ニホン軍の本隊の攻撃も疎らの様だ。この一手で、ニホン軍は、どう出て来る?」


 オバム大佐は、この一手を打ち込む事で、ニホン軍を引き吊り出す津守なのでる。


 イースト・エンペラル100機は、その巨体をサナダ丸の城壁に迫りつつある。



 図体がデカイ分、水堀の深さは意味を成さない。


「そうーれっ!!踏み潰してくれるっ!!!」


「よくも散々痛めつけくれたなっ!!!」


「これで一気に突破してくれんっ!!!」


 イースト・エンペラルの操縦士達は、サナダ丸を揉み潰さんと迫った。



 だが、それでも自衛隊員らは、怯まなかった。



「各員っ!敵人型兵器の関節部分を集中攻撃しろおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」


 陸自隊員達は、一斉に銃火器を構える。


「えっ?」


「へっ?」


 イースト・エンペラルの操縦士達は、殺られる前のお約束で、間抜けな一言を述べてしまう。


 ズダダダダダタダダダッ!!!ズダダダダダタダダダッ!!!


 バァンッ!!!バァンッ!!!バァンッ!!!バァンッ!!!


 ダンダンダン、ダンダンダン、ダンダンダン、ダンダンダン。


 バシューーッ!!!ゴオオオォォォォォーーーー!!!


「あの手の兵器は、必ず関節が弱いって、相場が決まってるんだっ!」


「そうそう、関節機構って言うのは、お約束で弱い弱いってね。」


「関節さえ潰しちまぇば、ロボットなんて奴は、只のデカイ木偶の坊よ。」


「地球○邦軍も黒の○士団も初期の頃は、ロボット相手に生身でやってんだっ!」


「俺達だって、やれる筈だっ!」


「それそれ、撃て撃て撃て撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」


「撃ちまくれええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」



 今度は自衛隊員らが、ロボット相手に異様に燃えていた。最初から弱点を熟知して居るから恐怖に対して免疫があった。



 特にアニメで、モビ○スーツを見て居る世代は多いので、こんな手段が取れたのであった。



「あのだな、中隊長。魔導機兵と言うのは、そんなに弱いのか関節?」


「はい。お約束ですから・・・・・・・」

 

 アーシダ第三騎士団長は、近くで指揮して居た陸自中隊長に思わず、魔導機兵の弱点は関節なのかと聞いてしまう。



 それを淡々と答える中隊長は、お約束と一言、述べるだけに止まる。


 古今東西のロボットアニメでは、ロボットの関節は非常に弱い事は良く知られている。



 機械の重要部分の割には衝撃に弱く脆い。ギャグアニメでも狙い撃ちにされ、倒されるオチが描かれて居るお約束であった。



「ああっ!!あんなに関節を攻撃されたらっ!!!」


「どうなると言うのだ?」


「・・・・・バラけます。」


「なっ!?何だとっ!?」


 グリクス地方軍団に所属する技官は、敵の思わぬ攻撃方法に絶句してしまう。


 まさか生身で攻撃し返して来るとは、想定しておらず、オバム大佐も意外な弱点に関して、思わず衝撃を受けてしまい、間抜けなお約束の一言を叫ぶ。


 ドッカアアアアァァァァーーーーーンッ!!!!と、バラバラに壊れて行くイースト・エンペラル。


その中に居る筈の操縦士たち諸共を討ち取られて行く機体も有った。


「・・・・・・そんなにも弱いのか関節?」


「はっ!!技官の間だけの国家機密だと言われて居ます。」


「恐らく、アースティア世界の全世界に措いても、世界各国の軍事機密とされて居る事も有りますが、似た様な理由で他国の技官たちらも、他国に漏らすまいとして居るので、多くの将兵が知らされて居ないかと・・・・・・・・・」



「そうなのか?・・・・・・・・・・」



 そんな間抜けな事実が、各国でも隠されて居るとされて居ながらも、外には決して漏らす事が無い事実にオバム大佐は、どう言えば良いのかが分からずに立ち尽くすのであった。


 オバム大佐は、イースト・エンペラル隊が破られるのを見届けると、攻撃の一時中止命令を下すのであった。



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