表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/188

天才王女は皇子たちと会談します

本日、猫さんから感想を頂きました。Thank you for impression!


毎日マイページを開けば赤文字が見られるとは、筆者は幸せ者ですね。


これからも頑張っていきますので、感想などお待ちしております!

 道中で一度だけ襲われましたが、難なく私たちは療養地へ到着。もっとしつこく襲撃されると予想していたので、少し不気味ですね。

 一応、建物の中でもケーネとミリダから離れないようにしなきゃいけませんね。さすがに建物の中にまで賊が潜んでいるとは考えたくないですが……。


 王宮に勝るとも劣らない建物の一階、大会議室にはすでにお父様とお母様、そして二人の皇子の姿が。まだ会談は始まっていないようで、ひとまず安心しました。

 

 というのも、今の私は正式には招待されていない身。こうして会談に参加できるのはひとえに、今回の騒動の原因が私であり、またお父様がここへ来ることを許してくださったからに他ならない。

 だから、今朝の段階でお父様のところへ『連れて行ってくれ』と頼んだのよ。



「……お、王女殿下、これはご機嫌麗しゅう。しかしトラン国王よ、王女殿下がここにいらっしゃるとは聞いておりませんでしたが?」


 

 口火を切ったのはやはりコーラル第一皇子。しっかり私に挨拶しつつ、その上でお父様を牽制する発言をするあたり手慣れているといったところでしょうか。

 帝国も前の皇帝が倒れてからは国内が混乱していますからね。その中で未だに次期皇帝を狙える位置をキープする技量は伊達ではありません。


 しかしさらにその上を行くお父様。口元にいつもの笑みを浮かべると、第一皇子の言葉に切り返します。



「ほう、これはおかしなことを言いなさる。コーラル皇子とて、今回の騒動の被害者が誰であるかご存じでないわけではないでしょう? そちら側に連絡が出来なかったのは、娘が心労で今朝まで寝込んでいたからだ。ご理解いただけるとありがたいのだが」


「そういう事情なら仕方ありませんな。王女殿下、改めてご機嫌麗しゅう」



 お父様、よくそこまですらすらと方便が出てきますね……そう言われたら、皇子たちに反論の余地なんてないじゃないですか……


 お父様の交渉力に驚きつつ、私は第一皇子の方に向き直ります。



「コーラル様、ご機嫌麗しゅう。私の行動で帝国側に混乱をもたらしてしまったことをお詫びしますわ」


「いや、むしろ謝るのはこちらの方だろう。帝国の役人が、貴女に許されない行為を働いたことを私の方から謝罪したい。この通りだ」



 座っていた皇子たちは揃って立ち上がり、私に深々と腰を折って謝意を示します。



「……謝罪は受け取らせていただきますわ。しかし……」


「しかし、何ですかな? 何かまだご不満がおありで?」



 笑顔でそう告げるコーラル皇子。なるほど、やけにあっさりと謝ったと思ったらこういうことでしたか……


 一国の代表たる皇子が頭を下げたのだから、今回の件は水に流せと暗に言っているのです。確かに帝国にとっても、自国の大臣が王国の姫を監禁して手を出そうとしたなど隠しておきたいスキャンダルですからね。


 ですが。これに私が反論しにくいのも事実。大臣は正真正銘のクズですが、仮にも帝国の重職についている人物ですからね。それを見越してコーラル皇子もこんな返し方をしたのでしょう。


 コーラル皇子の言葉に帝国側の従者たちは嫌な笑顔を浮かべ、ケーネとミリダは嫌悪感を眉根の皺で表し、お父様は低く息を吸い込みます。しかしその時――。



「――――ッ!」



 部屋を支配する、濃密な殺気。荒事に慣れているケーネやミリダ、帝国側の護衛達は跳ねるように身構え、私や二人の皇子と言った荒事に慣れていない人間に至っては、身体の奥から震えるのをこらえられません。


 固まる首を無理やり動かし、その発生源に目を向けると――――



「あら、お恥ずかしい。失礼いたしました」



 扇子を口元に当て、おほほと上品に微笑むお母様。しかしその目は全く笑っておらず、まっすぐに第一皇子を射すくめています。



「話の腰を折ってしまい、申し訳ありません。けれどまさか、第一皇子ともあろう御方の口からそんなバカげた発言が飛び出すとは予想しておらず、少し驚いてしまったのですわ」



 開いていた扇子をパタンと閉じ、視線をふっと外してなおコーラル皇子は口を開きません。次にうかつな発言をすれば、即座に首が飛ぶ――――そんな荒唐無稽な想像を、しかし相当の確度をもった雰囲気でお母様が威圧し続けているからです。



「レーナ、その辺にしておきなさい。コーラル皇子、うちの妻が失礼をしたな」



 お父様の言葉と共に、冷たく肌を撫でていた殺気がふっと消えます。脂汗を流しながら首を振る皇子に、なおもにこやかに微笑みかけるお母様。


 ……お母様、あの空気を一掃なさるとは……味方ですからとても安心ですけど、敵からしたら恐ろしいでしょうね……






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ