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お母様は激励します

「おい、今回の指揮はドラン将軍じゃないって噂だぜ?」


「マジかよ⁉ お嬢さんが一枚絡んでる戦だから、てっきりあの将軍が前線に立つもんだと……」



 同じようなざわめきが兵たちの間に広がりますが、それも私が姿を現したことでピタリと静まります。


 それもそのはず、ここにいる兵の多くは私と訓練を共にしたことがあるからです。どれだけ格好が変わろうとも、私の顔を見ればわかるでしょう。

 

 私の後ろからドラン将軍が現れ、今回の作戦に参加する全員が集まったところで完全に場が静まり返りました。



「今回の指揮を執る、レーナよ。みんな、私のことは知っているわね?」



 私の登場に怪訝そうな表情を浮かべていた新兵も、『レーナ』という名を聞いて顔色を変えました。私の訓練は受けていなくても、王妃としての『レーナ』は知っているでしょう。この国で、その名を名乗れるのは私だけなのですから。



「みんなも知っての通り、私はこの国の王妃よ。でも今は、この戦いの間はただのレーナよ。よろしくね。

 今回は私が指揮を執ることになりました。しかし、私は命令をほとんど出しません」



 私の言葉に、場の空気が一気にざわめきます。それもそのはず、指揮官が『命令を出さない』なんて言い出したのだから当然です。王妃が指揮官に着任しているのですから、彼らも私がお飾りだということは分かっているでしょう。ですが何事にも建前というものがあり、それを私が口にしたことが問題なのです。


 ですが、歴戦の兵たちは苦笑を浮かべながら黙っています。私の言わんとすることを、もうすでに知っているからです。



「私は指揮官の器にあらず、ただの兵よ。誰よりも先陣を切り、そして誰よりも戦果を上げるわ。

 ———だから、その後ろをついて来なさい。もし、もし私のような女に負けるのが悔しいという馬鹿者がいるのなら———」



 ここまで一息に。一旦息を吸って、儀礼用の笑みから戦場へ行くときの表情に変えてさらに続けます。



「その身に纏った軍服に恥じない動きをなさい。ナンコークの兵は一兵たりとも、私に負けるような軟弱物ではないでしょう?

 さあ、剣を取りなさい。私たちの同胞を死地から救い出し、ついでに大陸全土を驚愕させて震撼させましょう」


「「———おう!!」」



 私の声に応じる声が次々と重なり、地を踏み鳴らす轟音が城外へと響き渡ります。


 唱和が最高潮に達する瞬間、私も手にした宝剣を突き上げて応じます。



「行くわよ! 全軍、出撃!」




何故か、一昨日の段階で昨日の更新分が投稿されていたようで……すみませんでした。混乱された方もいるかもしれませんのでこの場をお借りして謝罪いたします。


原因は分かりませんが、とりあえず今日からまた毎日19時に更新していく予定ですのでよろしくお願いします。


……本当に、なんでなのでしょう。実は帰省しているので、それもあって書き溜めていたのです。まさか書き溜めが裏目に出たとか言いませんよね……早急に原因を究明して今後の更新に役立てます。


それでは皆様、これからも楽しんでくださいね。感想など、お待ちしております!

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