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天才王女は帰還します

「王女殿下、お帰りなさいませ。その様子ですと、上手くいったようですな」



 私が王宮の正面玄関から入ると、いつもとは違う声が私へ放たれました。


 見慣れぬ衣装に身を包んだ、長身の美男子———ロレンス王国のプレスト王子です。彼の隣には王子をここまで案内したと思しきケーネがひっそりと立ち、背後には十数人の供回りを連れています。



「これはこれは、王子自らお出迎えくださるとは恐縮ですね」


「なに、王女殿下が危険な場所へ赴かれたのですから当たり前ですよ。して、首尾は?」



 にこやかな表情で問いかけてくるプレスト王子。早足の密偵からこちらの動向なんてすでに掴んでいるでしょうに、あくまでこの場で私に語らせたいようですね。



「無事、両部族の仲介を完了してきましたわ。もとよりさほど大きな火種ではなかったので、何も誇ることではないですが」


「おお、さすがは音に聞くエレナ王女殿下ですね。小さな火種とはいえ、それを治めることがどれほど大変かは私も良く存じ上げておりますよ」



 まあ、王子の言っていることは尤もなのだけれど。そうまでして私を持ち上げるあたり、何やら気味の悪いものを感じます。ここは早めに切り上げて自室に引きこもるのがいいかもしれませんね。


 ちょうど王子の隣に立っていたケーネがこちらへ歩いてきたので、そっと視線をさりげなく執務室の方向へ向けます。すぐさまこちらの意図に気付いたケーネは微かに頷くと、私に向かって恭しく口を開きました。



「エレナ様、何やら顔色が優れない様子。慣れない乗馬でお疲れなのでは?」


「そうね、確かに言われてみれば瞼が重いわ……プレスト王子、今日はこのあたりで失礼しても?」


「ええ、ぜひゆっくりとお休みください。私が引き留めて王女殿下の体調を崩したとあっては、この地の民から怒られてしまいます」



 私の方便に、冗談めかして応じるプレスト王子。ここで無理に引き留めず、鷹揚に応じるあたりはさすがですね。



「では、王女殿下。あちらに部屋を用意してございます」 



 私は王子に一礼すると、ケーネの案内に従って私室へ戻ります。侍女たちが部屋の入り口で去り、部屋にミリダとケーネ、私の三人になったところで張り詰めた息を吐き出しました。



「あぁぁぁ……昔から思っていたけれど、乗馬って絶対に非効率極まりない移動手段だと思うわ。ケーネ、馬に代わる移動技術の開発をアンネに頼んでおいて頂戴」


「アイツに言えば何とかしてしまいそうなのが怖いところだな……あ、王子がエレナの帰還に何とかして顔を出したいとせがんできたから案内したが、よかったか?」


「そうね、わざわざ王子のところへ足を運ぶ手間が省けたから構わないわよ。

 でも、わざわざケーネに連れて行くようにお願いをしたということは、王子はあの場で何かしら仕掛けてくるつもりだったのね……早めに戻ってきて正解だったわ」


「仕掛け、ですか……王子は何をするつもりだったのでしょう?」



 ミリダが三人分の紅茶を用意しながら会話に参加します。カップをそっと置いた後、彼女は私の腰を揉み始めました。



「……ミリダ?」


「お嬢様が腰をかばいながら歩いているように思いまして。お気になさらないでください」


「あ、ありがとう……で、王子の思惑だっけ? さっぱりわからないわ。

 分からない以上、逃げておくのが得策と思ったのよ」



 一番考えられるのは、私が向こうの文官たちに罠を張ったことに対する牽制でしょうか。でも、それは王子のやり口にしては性急すぎるように思うのです。


 触らぬ神に祟りなし、むやみに相手の思惑に乗ることはありません。逃げられるときには逃げておくのが賢い選択というものでしょう。



「二人とも、王子が何か仕掛けてくるかもしれないから気を付けておいてね。

 それにしてもミリダのマッサージは気持ちいいわね……もう少し揉んでもらった後、今日は寝るとするわ」



 


昨日、ホツマツタエさんから感想を頂きました。Thank you for impression!


実に十日ぶりの感想で『おおっふ!』と変な声を出し、そばにいた友人に変な目で見られてしまいました。さすがはポンコツ筆者ですね!



実はこの『天才王女』、一番人気のキャラはレーナ様だったりします。割と身の回りに読者さんがいたりするのですが、みんな口を揃えてレーナ様推しなんですよ。だから彼女の出番が少なくなると『次にレーナ様が出るのはいつなんだ!』とせがまれるのです。


ですが今回頂いた感想によって、エレナちゃんもファンを獲得できていることが分かって嬉しかったです。ヒロインにして主人公のエレナちゃん、もっと頑張ってファンを増やして欲しいですね!(一ファンの声)



感想など、皆様のお声をお待ちしております。お時間がありましたら是非、よろしくお願いします!

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