062再び世界へ
帝国軍のセシルです。
ジェスさんが連邦であれば、どうすれば良いか分からなくて悩みます。
私のもう一つの願いを叶えてくれるかしら?
そんなお話です。
帝国軍のセシルと連邦軍の私が対峙する。
言葉を慎重に選ぶ必要がある緊張感を感じる。
「今の私は、どちらの味方でもないが、零さんとラクアの味方だと思う」
セシルが、嬉しそうに微笑んだ。
「お兄様と同じ様な事を言う人に、久々に出会ったわ」
「予想なのだがラクアとアルテアも実は、帝国国民でこの世界で死ぬと仮想空間に戻っていくのでは?」
自分だけ例外になっていた事を思い出して聞く。
「正解よ。ラクアとアルテアは本当の記憶を戻す?」
セシルが、さらっと重い話を2人に投げかける。
「ジェスさんと零さんの役に立つなら欲しいかな?」
「セシル様の為なら欲しいです」
「2人ともありがとう。でも、それは今度でいいわ。記憶を戻すと言う事は死ぬってことよ」
2人とも理解していなかった様で、顔がひきつる。
「その推測力や、パワードスーツの動き、帝国の施設に対する自由度、連邦の装備に対する自由度、体内にナノマシンがほぼ無い上に呼吸しても取り込まない、しかし外部とリンク出来る。
貴方は、本当に何者なの? 長い間生きていてジェスさんほど、非常識な存在を知らないわ」
どこまで教えれば良いか考え込むが、実際は自分も自分自身をわかっていない。
いつ生まれて、初めての戦闘も思い出せない、エースパイロットとして多くの戦闘を実施して、その記憶しかない。よく考えたら全く記憶が無いに等しい事に気がつく。
「すまない、実は私も自分自身をわかっていない様だ。しばらく時間が欲しい」
そう言った瞬間。
セシルの右手が鋭利なサーベルに再構築され、私の喉元に突きつけられる。
シャトルにパワードスーツを置いてあるので、無防備である。
「正体は、そのうち教えてくれる。
私の手伝いはしてくれる。
と言うことでいいかい?ジェス」
「出会った頃を思い出すよ。
その通りだよ、セシル」
セシルがニヤつく。
「そんなやり取りがあったんですね」
ラクアが羨ましがる。
その後、思い出した様に怒りながら話す。
「私の時は、奴隷の中で、「1番若いから選んだ」ですよ!!」
ため息をついた後に、セシルが再び口を開く。
「私のもう1つの願いは、お兄様を見つけて欲しい」
セシルが、願いを教えてくれた。
過去に、連邦軍との戦いでお兄様が倒された。
まだ話してないけど私が犯人だな。
しかし、お兄様のバックアップの素体に意識が戻らない。
これは、他の場所にバックアップがあって、そこで意識が戻ったと考えらる。
しかし、何処を探してもバックアップが見つからない。
全てのコンピュータを第2帝国軍のトップとして、探索のみの為に並列処理して、予測の範囲で可能性の調査を行うと地球の何処かにいる事がわかった。
そこで、地球を1万年以上観察し調査していたが、全く見つからないと言う事であった。
「では、今まで通りに零さんの記憶探しと同じように、各地をまわって、お兄さん探しに戻りますか?」
私が言うと
「闘技場も、よってください!」
ラクアが、完全にバトルジャンキーになっている。
零さんが、納得した顔してるし……
「セシル様についていきます」
アルテアも安定のセシル様。
「そうしましょうか。何処からまわろうかしら?」
部屋の大型スクリーンに、世界地図を表示してセシルがつぶやく。
なーなーで和解した、セシルとジェス。
運良く一緒に旅をしたが故で、出会い方が違えば和解しなかった可能性があった。
次回は、現在の連邦と帝国の状態のお話。
次回へ続く!




