061帝国科学研究所
セシルです。
目が覚めたら研究所にいました。
過去の記憶とジェスさんに会ってからの記憶をすべて持っていましたが、最後の記憶は、防衛装置を解除した時です。
それ以降が、思い出せません。
今回は、その説明のお話。
シャトルから降りて零さんに指示された通路を歩いていると、前方から4人乗りのモービルが走ってくる。
『お乗りください』
モービルが合成音を出す。
「歩くの疲れたから嬉しい!」
ラクアが歓喜している。
アルテアが歩くのに慣れていないので助かった。
乗り込むとすぐに動き出す。
かなりの速度で走行しているが、いっこうに目的地に着かない。
30分ほど走って、小さな通路に入った後に扉の前で停車した。
扉が開き零さんが姿をあらわす。
「零さん!!」
ラクアが飛びついてハグする。
「心配かけたわねラクア。アルテアも1000年も待たせてごめんなさい。ジェスさんには、中で詳細を話すわ」
中に入ると会議室の様になっており、飲み物も置いてある。
準備してくれていた様だが、零さん以外にこの施設には人はいないのだろうか?
みんなが着席すると零さんの話が始まった。
元の零さんの体は本来存在しない素体であり、過去にセシルの肉体を作る為の研究所用であった為、見落とされていたセシルのバックアップであった。
その為に脳には情報が入っておらず、復活しても自分が何者かわからなかったと言う事。
帝国人のバックアップした機械化した脳は、元の脳が消えると初めて意識をもつため、何体かのバックアップがあった場合はどれかが意識を持つ。
本来なら、ここの施設のバックアップが意識を持ち、復活するはずだったが、自分の記憶が全く無い過去のロストナンバー素体にセシルの意識が戻ってしまった事。
今迄の零さんの記憶は、自動で今までにアクセスした帝国施設の色々な場所に残されていて、現在はセシル・レイスタの記憶と零さんの記憶を持っているので、全く問題が無い事を伝えられた。
「最後の記憶は、戦艦に乗る前の防衛装置解除のとこまでだけどね。解除した際にデーターを研究所がバックアップしていました。今の私はセシルですが零でもあるわ」
ラクアと私は、顔を見合わせて笑いだす。
「この施設の説明もすると、帝国の人々は肉体を捨てて仮想空間で生きているの」
ラクアの頭に[?]マークが見える気がする。
まぁ、ラクアには理解の範疇を超えている内容だと思う。
「この施設には、100億人が住んでいるわ。
地上環境は、その仮想空間の参考資料で作成された作り物の世界。
仮想空間の住人が望めば、この世界に記憶を無くして参加して死亡すれば仮想空間に戻る世界。
帝国管理番号17号惑星 地球は、西暦時代のファンタジーをテーマに作られた世界で、他にも多くの惑星があり科学が発達している世界や全く原始的な世界など、様々なジャンルを選択できます。
帝国国民は、星間移動して様々人生を転生しながら生きています」
ラクアが全く話が理解できずに唸っている。
それは、本当に人間と言えるのか?
と言う疑問が湧き上がる。
「ジェスさん、私の目的は自分が何者かを探す旅でしたが、実はもう1つ目的があるの」
セシルが真剣な顔見つめる。
「その前に、ジェスさんに聞きたい事があるの。
帝国軍と連邦軍の戦争は、まだ継続中よ。
貴方は、どちらの味方なの?」
真実を知れば、知らなければ良かったと思う事がある事を知った。
連邦軍の私が帝国軍の零さんと敵として、対峙した瞬間である。
色々な謎が解けていきます。
次回は、過去に何があったか?
そんなお話。




