060不死
悲しみに暮れるラクアです。
一緒に旅をしていた零さんが、死んで火が消えたようです。
今回は、その後のお話。
海上に浮かんでいるシャトルで、いつから自分が感情を表に出すようになったか考えていた。
昔は喜怒哀楽などなかった。ただ命令通りに動いていた記憶がある。
1番最初の感情は帝国皇帝を倒す際に、方法が見つかった際に安堵した感情だった気がする。
その前に何をしたか思い返していると、仮設ベットから音がする。
ラクアが目を覚ます。
珍しく落ち込んでいる。
アルテアも目を覚まし、不慣れな両足でアルテアが歩いて私の横に来る。
「すまない、元の体の構造を記録していなかったので、人間と同じような姿になってしまった」
いままで、大蛇の下半身であったアルテアだったが、今は人間のような外見になっている。
「いいえ、助けて下さってありがとうございます。セシル様に関して、話したい事があります。
いつ会えるかわからないだけで、セシル様は不死なので問題はないんですよ」
「「へ?」」
ラクアと私が一緒に、呆然とする。
「セシル様は、過去にも魔族とのトラブルや事故で、何回か死んでいるのを知っていますが、数日以内に、すぐ戻って来ました。
今回のように1000年間戻らない時があったので、いつ戻ってくるかは保証出来ませんが、不死ですので死亡に関しては問題ないかと」
「「え!」」
なんてこった! 零さんは、帝国の人だったな……
「あははぁ」
ラクアが笑い出す。
「という事は、どこかで目を覚ました零さんを、探し出せば良いという事になるのかな?」
私が聞くとアルテアが答える。
「そう言う事になります」
ガコン! バシュゥゥ!
『遠隔操作が実施されました。上位権限認証、目的地に出発します。座席に着席し固定ベルトを装備してください』
突然、シャトルが動き出す。
何事か操作コンソールに行くと自動操縦になっており、こちらからのアクセスが効かない。
「どういう事? 操作が効かないよ」
ラクアが操縦席に着席してレバーを動かしているが、ロックされていて動かない。
シャトルの外の風景をモニターで見ると、進行方向は海底研究所!
ドプン!海に潜る。
既に研究所までの距離が1kmを割っている。
「上空からの攻撃がない??」
まさか、水中からいけばステルス衛星に襲われなかったのか?
それはないな、高性能のセンサーがあるはずだ。
と言うことは、このシャトルが攻撃対象の例外なのか、何者かがステルス衛星の攻撃を止めたことになる。
海水が綺麗なためか、目の前に巨大都市にしか見えない海中研究所が、綺麗に見えて接近して行く。
100階は、あるだろう建物が密集して立っており、周囲でも30階以下の建物がない。
「なんて大きさだ」
建物の下に、大きな基盤となる施設が存在する。そこまで接近すると施設の水中ハッチが開いていく。
中に入るとハッチが閉じて、ちょうどシャトル水に浮くほどに、海水が抜けて船の様に大型通路を進んでいく。
港の様な所に着くと接岸して停まった。
横を見ると、宇宙船の駆逐艦が3隻ほど停まっていた。
シャトルの通信機から明るい声が聞こえる。
「ジェスさん、ラクア、アルテア。 帝国科学研究所へようこそ」
零さんの声が響く。
結局、生きてた零さん……いやセシル。
今後、セシルの謎が解き明かされていく。
次回、帝国科学研究所のお話。




