054闘技場
上機嫌な零です。
昔に1年ほど滞在した事がある闘技場へ来ました。
懐かしいと思うのですが、昔使ったある物をジェスとラクアに内緒で転移で取りに行ってきました。
フフフ!
今回は、闘技場の戦いのお話。
闘技場に着くと入り口で、身分証を求められ冒険者プレートを見せる。
「この身分証じゃ入れんよ」
「え?」
「チッ、初心者かよ」
適当にあしらわれて、キョロキョロしていると声をかけられる。
「おにいさん。これじゃ駄目だよ。こっちのプレイヤーカード買って登録しないと入れないよ」
入り口横にいた、ショートカットの20歳ぐらいの太った兎の耳の女の子が教えてくれる。
入り口の横に構築済みデッキ付きプレイヤーカード銀貨5枚と、プレイヤーカード銀貨1枚が、売っていた。
私を置いて、零さんとラクアがすでに販売品を品定めしていた。
「構築済みデッキにレアカードが限定で入ってるようですよ!!」
ラクアが大興奮。
この人達は、知ってたのか?
3人で構築済みデッキとプレイヤーカードを買って、登録する。
「プレイヤーカードは100回使うと、新しく買って更新しないと駄目だかね」
カバのような販売店員の男が言う。
横でプレイヤーカードを5枚まとめ買いしてる人もいた。
中に入れば色々わかるだろうと、闘技場内部に入った。
ドーム状で天井に照明がついており、西暦時代の野球場程の広さの周りに観客席がある。
中心に15m四方の舞台があり、南北のプレイヤー席と言われる場所に人が立ってカードをさばいている。
中心以外の客先迄の間のスペースには、沢山の2m四方の舞台がある、中心の物より小さいが此処でも何か出来るようだ。
空いている2m四方の舞台がある場所に行く。
ラクアが片側にある、プレイヤー席にデッキセット!
反対側に私が行ってデッキセットすると、舞台が光り出しデッキをセットした横にプレイヤーカードの挿入を促してくる。
入れるとゲームスタート!
手元の台にデッキに入っていた50枚のカードから、ランダムで5枚出てくる。
モンスターの絵柄のあるカードを選ぶと、舞台にそのモンスターが現れる。
攻撃マークのカードを選ぶと舞台のモンスターが相手の舞台にいるモンスターを攻撃する。
特殊効果カードを出すと、舞台に特殊効果が発現して行く。
これを、ターン毎に交互に行って行くカードゲームの様だ!
「大体わかった。特殊効果を発動! エレファントの守備力を2倍にしてターンエンド!」
「負けませんよ! タイガーウルフを攻撃! トラップカードを伏せてターンエンド!」
ラクアと私が白熱してプレイする。
そして、私が負ける。
負ける条件は、場にモンスターがいない時に5回攻撃されるか、モンスターを5体倒されるかで決まる様だ。
ラクアに負けると悔しい。
負けたのでラクアにデッキで良いカードを一枚取られた。
観客席の下で銀貨1枚でカードが引けるルーレットをやっていたのでラクアに、200枚ほどカードを買って解き放つ!
「うははは! ジェスさん! すぐに、トップになってきますね!」
落ち着いた所で、零さんに話しかける。
「零さん、ここって大型基地の一部じゃないですか?」
「そうよ、基地の一部を誰かがここに移動した感じで、エネルギー供給も地下基地から受けていると思うわ」
2人で話ながら、施設制御がある部屋方面に歩いて行く。
「基地にアクセスは、出来なかった?」
「500年前に試してるけど無理だったわ」
「ブラミミコネ国の獣王が、何か秘密を持ってるんじゃないのかな?」
「過去に持っていたかもしれないけど、年月の経過と世代の入れ替わりで、伝承が薄れて有力な情報はなかったわ。この施設の関係者は、初代獣王だった事しかわかってないの」
制御室前付近まで辿り着いた。
「端末は触れるんですか? 私が1回調べてみますよ」
「端末は週1回行われてる大会優勝者しか、さわれないわよ。私も触るまで1年かけたわ」
零さんが、おもむろに隠していたマイデッキを私の前に出す。
お前もか!!!
施設制御室が、奥にあると思われる通路には、《優勝者以外の立ち入りを禁止する。無視した場合は、攻撃する。》
と警告が書かれている。
「過去に入った時、何が出来たんですか?」
「施設をどこで見放題と、照明に調整、ゲームの演出設定とルール設定など闘技場に関する設定が細かく出来るだけで外部とは、一切通信出来なかった記憶があるわ」
零さんも新しいカードを100枚ほど購入して、端末に触るためと言う理由から、闘技場へ行ってしまった。微かにニヤニヤしてたから、絶対に楽しくて行った気がする。
こそっと入るのは、無理だと思っていたが
簡単に、この地下基地には入れそうだ。
裏口を私が探しだそう。
闘技場の制御室がある場所のちょうど裏側に辿り着く。
左手で壁と接触し成分の解析を始める。
壁には、ver9.0のナノマシンが5%と強化するための元素組成が含まれている。パワードスーツから制御室までのアクセスをナノマシン経由で実施する。
10分ほどで擬似的に制御コンソールをパワードスーツにリンク出来た。
情報取集すると零さんが言ってた設定しかなく、これと言ってヒントがなかったが、エネルギー供給ラインを調べると有力な情報が出る。
「お! 見取り図あった!」
エネルギーラインに沿って点検用だと思われる縦穴が地下2km迄続いている。
「入り口が、制御用コンソールの下のメンテナンスハッチ……」
戦艦で乗り付けて爆破して乗り込むのが最速だが、なるべくこっそりと侵入したいので、零さんとラクアが優勝するのを待つのがベストだと考えたが……
「《優勝者のみ》って書いてあったな……私が行くには、私が優勝?? 無理だ」
こそっと強引に行くことにした。
制御室への通路に人気が無いのを確認していると、現在の優勝者らしい虎耳の虎尻尾である30代ぐらいの男が通路奥の制御室から出て来た。
「新人に強い奴が現れた! 俺様が直々に相手してやるぜ!」
意気揚々と会場へ向かって行った。
会場に消えて行くのを確認して、パワードスーツでそのまま突っ込んで行く。
《優勝者以外の立ち入りを禁止する。無視した場合は、攻撃する。》の標識を超えた途端に制御室方面から、送風口が開いて余裕で人が吹っ飛ぶ程の風が吹いてくる。
プラスして人が死なないが意識を失うだろう電撃がスパークする。
「優しい設定だが、これは普通だったら入るの大変だな」
背中にブースターを再構築してフルブースト!
通路を一気に飛び抜けて制御室に入る。
途中で床が2回ほど抜けたので落とし穴もあったようだ。
制御室に入ると攻撃が止まり静かになる。
メンテナンスハッチを探すが、隠蔽されていて床があるだけだ。
前回使用した液状化プログラムで床を抜けてメンテナンス用の縦穴に入る。
「狭い!」
穴には、エネルギー供給用の配管がビッシリ詰まっていた。
隙間にぴたりとはまり込んでしまったので、パワードスーツの形状をスリムにして、なんとか下へ目指す。
途中に落下防止柵があって、稀に詰まりながら壊して落下して行く。
2km付近で広い空洞にでる。
前に見たことがある地熱発電所に類似した施設が4個並んでおり、闘技場からの配管がその施設へ伸びている。
その他には、壊れた建物の残骸が空洞を占めている。
「基地が無いぞ?」
地上から通信可能だったが、アクセスできなかった場所を探すと壊れている残骸に半壊した司令室らしき部屋とコンソールがあった。
入力装置などは壊れてしまっているので、パワードスーツとリンクして、アクセスするが権限不足で入れない。ver4.0ナノマシンで構築されている制御装置をver3.5の上位権限で無理やりアクセス可能にする。
『中将レベル……ジジ……での権限が解除……されました』
生き残っている外部出力装置があったらしくアナウンスが聞こえる。
さて、情報を吸い出そう。
平和なアトラクションである闘技場!
次回、闘技場の仕組みが明らかに!
次回へ続く!




